■事業の内容
わが国の運輸部門におけるCO2等排出の大部分は、自動車から排出されるものであり、年々増加傾向にある。この自動車が原因となる地球環境問題を解消していくためには、自動車のエンジンの改良による低公害化といったハード面の対策だけでなく、運転する人自身が環境に優しい運転をするよう配慮することが極めて重要であるが、国民一般には、環境に優しい運転についての理解が十分になされていない状況にあると考えられる。 平成9年度には、駐車時のアイドリングストップ、高速道路における適正速度での走行などからなる「エコドライブ」について、関係団体からなるエコドライブ普及推進協議会を通じて、普及啓発活動を行った。 本啓発活動は、これまでの活動を更に発展させ、国民各層へ地球温暖化問題とその対策に係る広報を充実させるとともにエコドライブの啓発広報をより直接的に広く実施することを目的として、実施した。 (1) 新たな免許取得者への啓発 自動車教習所において新たに免許を取得する者に対し、エコドライブの趣旨を説明したリーフレットを作成し配布した。 [1] 対 象 新規免許取得者約190万人 [2] 場 所 指定自動車教習所1,464ヶ所 [3] 配布物 リーフレット(B5判、カラー、8頁)170万部作成 a.団体名義 エコドライブ普及推進協議会 (社) 全日本指定自動車教習所協会連合会 b.監 修 運輸省 c.指 導 警察庁交通局 (2) 運送事業者等を対象としたエコドライブコンテスト(仮称)の実施 [1] エコドライブを実践している事業者の募集 a.募集対象 運輸事業者(トラック、バス等)、自家用トラック、バン等を多数使用している事業者など。 b.募集方法 運輸事業者については各事業者団体を通じて、また、その他の事業者については、適切な団体を通じて参加を呼びかける他、適切とみなされる事業者に直接呼びかけた。 (a) チラシ兼ポスター イ.規 格 A3判 両面カラー ロ.部 数 30,000部 ハ.配布先 運輸事業者団体、その他事業者団体 c.応募内容 ・エコドライブ実践のための工夫 ・エコドライブの実践状況 ・運転手、従業員へのエコドライブの普及・啓発活動 ・エコドライブ推進による効果 [2] エコドライブ実践に関する優秀事例の選定 応募資料に基づき、審査委員による書類審査(一次)を行い、更に審査委員会において受賞事業者を選定した。 [3] 表彰および広報 審査員会の推薦に基づき、エコドライブ実践優秀事業者を「交通・環境フォーラム」にて表彰するとともに、優秀事例については同会場にて、内容の発表を行った。また、12月21日(月)の日本経済新聞紙上において広報した。 [4] 表彰式 a.日 時 平成10年12月14日(月) b.会 場 「交通・環境フォーラム」(虎ノ門パストラル) [5] 賞 a.運輸大臣賞 1点 日本通運株式会社東京航空支店貨物営業部原木集配課 b.交通エコロジー・モビリティ財団会長賞 1点 神奈川中央交通株式会社 c.努力賞 3点 西日本鉄道株式会社、四国運輸株式会社、日本電信電話株式会社
■事業の成果
日本の二酸化炭素排出量の約20%を占める運輸部門において、90%弱は自動車からの排出であり、自動車からの二酸化炭素排出を抑制するためには、自動車燃費の向上等のハード面からの改善や、より二酸化炭素排出の少ない公共交通機関の利用を促進するほか、自動車を運転する人自身が環境にやさしい運転を心がけることも重要なことである。
当財団は、環境にやさしい運転方法を「エコドライブ」として、平成9年度からその普及促進を進めている。平成10年度は、エコドライブ推進運動の一層の普及拡大を目的として、警察庁の協力を得て自動車教習所において新規に免許を取得しようとする者に対して「エコドライブのすすめ」のリーフレットを配布した。
さらに、事業者におけるエコドライブの実践に関する工夫や成果などの最新事例を募集し優秀事業者を表彰するとともに、広く社会に周知宣伝するためにエコドライブコンテストを実施し、優秀事例については、「交通・環境フォーラム」において表彰するとともに、日本経済新聞紙上において広報した。
これらの活動は、運輸部門における地球温暖化対策のひとつとして、環境にやさしい運転方法(エコドライブ)を国民参加型の普及啓発の1項目として、充実を図ることができた。
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