■事業の内容
高齢者・障害のある方々を支える社会システムの整備が重要かつ緊急な課題となっており、公共交通機関における利用円滑化対策推進の必要性はますます高まっている。現状を見ると公共交通機関について、一般利用者の高齢者・障害者の移動の円滑化に対する理解協力が充分にあるとは言えず、また既に整備された施設の利用に関する情報提供も少ないため、高齢者・障害者の利用が円滑に行われていない。 このため、本事業では一般利用者に対する啓発広報を広く行うとともに、我が国内外における高齢者・障害者の公共交通機関利用の円滑化に係る対策や整備状況に関する情報提供を行うほか、運輸交通事業ボランティアの発掘と育成に重点を置いた事業を実施することにより、人にやさしい交通施設の実現と高齢者・障害者の移動の円滑化を図るため、以下の事業を実施した。 (1) 高齢者および障害者等の円滑な公共交通機関の利用に資する啓発広報事業 [1] ポスターおよびパンフレットの作成 a.内容 (a) 一般利用者に対して高齢者や障害者の方々等の利用に配慮した交通施設の整備の必要性を説明する。 (b) 一般利用者に対して高齢者・障害者が交通機関を利用する際の支援・協力を啓発する。 b.ポスター作成 (a) 枚 数 6,000枚 (b) 規 格 B2判カラー (c) 配布先 関係省庁、地方公共団体、JR6社、民鉄協会、バス協会、高齢者・障害者団体等 c.パンフレット作成 (a) 枚 数 10,000枚 (b) 規 格 A4サイズカラー (c) 配布先 関係省庁、地方公共団体、JR6社、民鉄協会、バス協会、高齢者・障害者団体等 (2) 高齢者および障害者等の円滑な公共交通機関の利用に資する情報提供事業 [1] 機関誌の発行 a.内容 高齢者および障害者等の円滑な公共交通機関の利用に関する対策や整備状況に関する情報を提供する。 b.機関誌 (a) 枚 数 18,000部(6,000部×3枚) (b) 規 格 A4判8ページカラー (c) 配布先 配布先一覧表参照 (3) ノンステップバス・福祉タクシーの普及促進セミナー 高齢者・障害者の方々の乗り降りにやさしい、ノンステップバス・福祉タクシーを普及促進させるために、以下の通りセミナーを開催した。 [1] セミナー実施 下記2会場にて実施。 平成10年11月6日 JR浜松駅前フォルテビル(静岡) 平成10年12月9日 船の科学館(東京) [2] 報告書の作成 (a) 枚 数 300部 (b) 規 格 A4サイズ (c) 配布先 関係省庁、地方公共団体、バス事業者等 (4) 交通ボランティア育成講座実施事業 アメニティターミナルとして整備されていない鉄道駅等において、車いす使用者の垂直移動や視覚障害者の案内・誘導、高齢者への介添え等を行う運輸交通事業におけるボランティア(交通ボランティア)のあり方および活用については、ボランティアの確保の問題、ネットワーク作りの問題等多くの課題があるなかで、本年度においては、交通ボランティアの発掘と育成に重点をおいて所沢と神戸とで実施した。 [1] 交通ボランティア育成講座の実施 a.関東圏(西武新宿線航空公園駅およびその周辺) b.関西圏(神戸港中突堤旅客船ターミナルおよびその周辺) [2] 報告書の作成 a.枚 数 600部 b.規 格 A4サイズ c.配布先 関係省庁、地方公共団体、JR6社、民鉄協会、バス協会、高齢者・障害者団体等
■事業の成果
一般利用者に対する啓発広報を広く行うとともに、わが国における高齢者・障害者の公共交通機関利用の円滑化に係る対策や整備状況に関する情報提供事業を実施した。
また、ノンステップバス・福祉タクシーの普及促進セミナーについては、本年度は年2回開催したことにより、福祉車両の一層の啓発普及を図ることができた。また交通ボランティア育成講座については、本年度は旅客船ターミナルを開催場所とし、乗船時の介助等を行うなど内容を充実させ、民間の参加を通じて交通ボランティアの意識の高まりを図ることができた。
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