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■事業の内容

国民の祝日「海の日」の制定を機に、多くの国民の関心が海や船へと向けられた。こうした意識を高めるために、海や船そして海で働く人々をテーマにしたいわゆる海洋文学作品を一般から公募するとともに、過去の著述を通じて海洋文学に功績のあった作家を顕彰することで、応募者はもちろん作家や著述に興味を抱いた人々が海や船を身近に感じ、海を大切にする心を育むことにより海事意識の啓発ならびに海事産業の振興を図るため、本事業を実施した。
(1) 内容
 第2回応募作品の選考および特別賞の推薦依頼と選考、決定、贈賞式の開催、受賞作品集の制作、配布、ならびに第3回作品募集
(2) 受賞作品
 [1] 小説・ノンフィクション部門
  大 賞  小説「長い一日」大岩尚志(新潟県)
  佳 作  ノンフィクション「海人万華鏡」あん・まくどなるど(宮城県)
  佳 作  ノンフィクション「照洋丸新聞」佐伯友子(神奈川県)
  佳 作  小説「底荷」斉藤洋大(愛知県)
 [2] 童話部門
  大 賞  「太良の海の青い風」本明紅(沖縄県)
  佳 作  「海王丸の航海」吉村健二(埼玉県)
  佳 作  「おじいちゃんの海」野口麻衣子(京都府)
  佳 作  「二階は海のそこ」くぼひでき(広島県)
 [3] 特別賞
  作 家  白石一郎(福岡県)
(3) 作品配布
 童話部門大賞受賞作品(絵本)を1500部、2部門各賞受賞作品集を1000部制作、関係機関に配布するとともに、絵本(童話部門大賞受賞作品)のみを、全国の主な公立図書館、聾学校、小学校等1000カ所に配布した。(4) 応募数
 第3回の募集を平成11年2月28日に締め切った。応募数は小説・ノンフィクション部門は289作品、童話部門は262作品、合計551作品。
■事業の成果

平成10年2月28日に締め切った一般応募(小説・ノンフィクション部門、童話部門)の作品及び出版社等から推薦のあった特別賞候補作家について選考を行い、各受賞者を決定した。7月24日、東京・船の科学館において贈賞式を行い、その記念パーティには清子内親王殿下のご臨席を賜った。第1回の贈賞式に比して、テレビ、出版社、新聞社等、マスコミ関係の取材、来賓も多く、一般紙等で受賞者及び海洋文学大賞について紹介された。特に童話部門大賞受賞者については、この受賞がきっかけでテレビのドキュメンタリー番組で取り上げられ、その折には贈賞式の模様や海洋文学大賞についても紹介され、後日、視聴者からは受賞作品についての問い合わせ等が相次いだ。

 また、平成11年2月28日に第3回目の募集を締め切ったところ、小説・ノンフィクション部門は289点、童話部門は262点の応募があった。応募者の年齢は8歳(童話)から86歳(小説・ノンフィクション部門)までにわたり、アメリカ、フランス、ドイツ、オーストラリアの在住日本人からの応募もあり、文学を通して海への興味を喚起するには十分な効果があった。





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