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■事業の内容

(1) 地方行財政に関する調査研究
 [1] 地方分権時代の行政サービスの供給システムに関する調査研究
  a.研究概要
    地方分権時代における地方公共団体のとくにサービス供給システムのあり方について、国や民間との役割分担も視野に入れながら検証し、併せてこれを可能とする税財政システムについても検討した
  b.調査項目
   (a) 地方分権時代の地方公共団体に求められる役割
   (b) 地方分権の進展に伴う税財政システムの変化
   (c) 低コストで質の高いサービスの提供を可能とするシステム
 [2] 地球温暖化防止に向けての地方公共団体の取組に関する調査研究
  a.研究概要
    地球温暖化防止に向けての地方公共団体の取組について、現状・課題・効果、広域的取組と手法などを検討した。
  b.調査項目
   (a) 地方公共団体による地球温暖化防止対策の現状・課題・効果
   (b) 地球温暖化防止対策における広域的取組と手法
 [3] 体制移行諸国における地方制度に関する調査研究
  a.研究概要
    新たに体制移行によって生まれた東欧及びロシア連邦の地方行財政制度を地域研究の専門家を中心に調査し実態等について取りまとめた。
  b.調査項目
   (a) 当該国の社会、経済等の概要
   (b) 当該国の中央政府の概要
   (c) 当該国における地方行政制度
   (d) 当該国における地方財政制度
   (e) 当該国における地方税制度
  c.調査対象地域
   (a) ロシア連邦(モスクワ)
   (b) ルーマニア(ブカレスト)
   (c) ブルガリア(ソフィア)
(2) 地域に即応した行政施策の調査研究
 [1] 地方都市の中心市街地再生方策に関する調査研究
  a.研究概要
    群馬県が独自で検討している中心市街地再生事業制度の創設に向け、県内各都市の現状や構造的問題点を調査・分析し、市街地再生に向けた基本的方向性と再生方策を検討した。
  b.調査項目
   (a) 県内各都市の中心市街地の現況把握
   (b) 中心市街地衰退の構造分析
   (c) 中心市街地再生に向けた課題と方向性の検討
   (d) 中心市街地再生方策のメニューの検討
  c.調査対象地域
    群馬県
 [2] 地域の特性に即応した資源循環型まちづくりに関する調査研究
  a.研究概要
    住民や区内事業所等の意識・意向調査などをもとに、本区の地域特性に即応した、生ごみの収集方法やコンポスト化など再資源化のあり方を検討した。
  b.調査項目
   (a) 東京都と練馬区のごみ処理及びリサイクルの現状と課題の把握
   (b) 練馬区の地域特性の把握
   (c) 環境及びごみの処理、リサイクルに対する区民意識・意向の把握
   (d) 生ごみの資源回収及び再資源化の実態等の把握
   (e) 生ごみの資源循環型システムのあり方
  c.調査対象地域
   東京都練馬区
 [3] 鉄道乗り入れに伴う社会的経済的効果に関する調査研究
  a.研究概要
    天童市の中心市街地を活性化する手段として、遠州鉄道鹿島線(浜松駅〜西鹿島駅)の市街地(二股駅)乗り入れを想定し、その社会的経済的効果を予測しつつ、地域の新たな振興方策を検討した。
  b.調査項目
   (a) 地域振興に関する諸計画の現状と今後の動向の把握
   (b) 社会基盤整備の現状把握
   (c) 市街地の商業機能・文化機能等の現状把握
   (d) 鉄道乗り入れに伴う社会的経済的影響度の予測
   (e) 鉄道乗り入れに伴う影響範囲と分野に応じた振興プログラムの検討
  c.調査対象地域
  静岡県天童市
 [4] 山間地域における保健・福祉の総合的展開による生活支援の充実に関する調査研究
  a.研究概要
    住民意識・ニーズや村内外の保健・福祉サービス資源などの分析をもとに、保健・福祉サービスの総合的展開のあり方及び具体的な目標・メニューを検討した。
  b.調査項目
   (a) 地域社会経済構造の概要把握
   (b) 保健・福祉に係る住民意識・ニーズの把握
   (c) 住民生活及び保健・福祉サービスの問題点・課題の抽出
   (d) 保健・福祉サービスの総合的展開の基本方針の設定
  c.調査対象地域
    埼玉県名栗村
 [5] 広域圏における公共施設の利用促進と効率的運用に関する調査研究
  a.研究概要
    滋賀県湖南地域における広域的ネットワークの強化のために、公的施設整備の現状と管理・運営状況を分析し、圏域市町の連携による公的施設の利用促進と効率的運営、利活用の拡充に向けて今後の取組の方向を検討した。
 b.調査項目
  (a) 湖南地域の現況
   (b) 湖南地域の将来像
   (c) 広域連携に関する事例研究
   (d) 広域連携に向けた課題
  (e) 広域施設の連携と効率的利用の促進方策
  c.調査対象地域
    滋賀県湖南地域(草津市、守山市、栗東町、中主町、野洲町)
 [6] 海域を活用したスポーツ機能整備による地域づくりに関する調査研究
  a.研究概要
    日生町は、古くからの海の要衝であり漁業のまちである。このような地域の特性を活かし、地域の活性化に結びつけるために、カヌー(シーカヤック)の施設及び関連サービスの整備方向と、カヌー(シーカヤック)を核とした地域づくりの実現可能性を検討した。
 b.調査項目
(a) カヌー(シーカヤック)の普及状況と将来的な動向
  (b) カヌー競技施設整備対象地区及び周辺地域の現況と地域資源
   (c) カヌー(シーカヤック)関連機能整備に係る他地域の事例
   (d) カヌー(シーカヤック)を核とした地域づくりの実現可能性の検討
   (e) カヌー競技施設、関連サービスの整備メニューの検討
  c.調査対象地域
    岡山県日生町
 [7] 分権型社会実現に向けての離島町村の連携による一体的地域経営の推進に関する調査研究
  a.研究概要
    大崎上島は瀬戸内海芸予諸島に属する島であり、島内が3つの町に分かれている。今後同じ島民として、島の整備・振興のために3町が一体的に取り組むべき重点事業を提示し、その実現方策について検討した。
  b.調査項目
   (a) 大崎上島の社会経済条件と3町連携・協力の状況
   (b) 大崎上島における連携事業の必要性と他地域での事例の検討
   (c) 大崎上島の地域づくりの課題と重点実施メニューの検討
   (d) 大崎上島3町連携重点実施事業の検討
  c.調査対象地域
    広島県大崎上島(大崎町、東野町、木江町)
 [8] 交流・学習等の拠点形成による“人にやさしい人づくり”の推進に関する調査研究
  a.研究概要
    学習や交流などの新たな機能を付加した保健・医療・福祉の総合的な拠点づくりを推進するため、幼児期から高齢期までの広範な住民ニーズについて調査し、新たな拠点機能について検討した。
  b.調査項目
   (a) 対象圏域の広域的位置づけ、社会・経済の概況
   (b) 福祉・健康づくりの動向の把握
   (c) 福祉・健康づくりの市民参加の検討
   (d) 福祉・健康づくりのネットワーク及び拠点の検討
  c.調査場所
    沖縄県中部広域市町村圏

■事業の成果

現在、地方行財政をとりまく環境は非常に厳しく、極度の歳入不足を前に、住民の関心は、行政コストの削減合理化と施策の適正な選択に向けられている。一方、地域社会は、社会・経済全般に及ぶ国際化の進展、高度情報システムの発達、少子・高齢化の進行による人口構造の変化等に伴い、早急に対応しなければならない数多くの課題に直面している。

 このような環境下において、地方公共団体は、地方分権を基本に据えた行財政改革を推進し、その自主性・自立性を高めると同時に、これからの時代にふさわしい地方自治行政体制を整備しつつ、地域社会におけるニーズの多様化・高度化に対応した諸施策の推進が求められている。

 本調査研究は、地方公共団体が直面している諸課題の解決に資するため、多角的な見地から調査研究を行うことを目的として、第1には全地方公共団体に係る全般的な立場から、第2には個々の地方公共団体に係る地域の実情に即した立場から多角的に課題を取り上げて調査研究を実施し、成果のとりまとめを行った。

 このような認識及び調査研究の基本方針をもとに、成果を取りまとめたが、いずれの調査研究においても、地方公共団体にとって、今後の取り組むべき諸課題に対する基本的な方向性の提示及び現下の諸課題に対する即応的な政策提言をなしえたものと考える。





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