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■事業の内容

中小企業が多い舶用工業においては、適切かつ安定した企業活動を図っていく必要がある。このため、造船需要及び舶用工業製品の生産動向及び輸出入動向等に関する内外の統計資料を整備することにより、業界の企業経営計画の策定に寄与することを目的とし、本事業を実施した。
(1) 各国舶用機関の生産動向
 [1] データの収集
   国内のエンジンメーカーに対し、1997年に竣工した2,000DWT以上の船舶に搭載された自社製品の主機関について、型式、台数、馬力等を調査した。
   海外造船所における船舶については、Lloyd's Maritime Information Services Limitedの船舶統計に拠りデータを収集した。
   また、1997年末における世界の船舶受注状況もLloyd's Maritime Information Services Limitedの船舶統計よりデータ収集した。さらに、国内大手舶用機関メーカーに対し、主要ディーゼル機関型式についての技術発展の現状を調査した。
 [2] 統計資料の作成
   収集したデータを整理し、コンピューターを使用して集計した。
   また、船舶建造量等について、ロイド統計・運輸省建造許可実績等から資料をまとめた。
 [3] 成果物
  a.名 称  「各国舶用機関の生産動向・第23号」
  b.規 格  A4版オフセット印刷 120頁
  c.部 数  400部  
(2) 舶用工業統計
   舶用工業製品の生産高、製造事業所、従業員数等、業界の動向に関する基礎的な統計を作成した。
 [1] 統計データの項目
  a.船舶用機関等施設状況報告A(施設の概要、従業員数、生産能力)
  b.舶用機関等施設状況報告B(工作機械、加工機械、運搬設備)
  c.船舶用艤装品等月間生産高報告(機関型式調査、受注実績調査報告を含む。)
 [2] 作業内容
  [1]のデータを磁気テープに入力し、コンピューターで処理した。
 [3] 成果物
  a.名 称  平成10年版「舶用工業統計年報」
  b.規 格  A4版オフセット印刷 57頁
  c.部 数  500部
(3) 舶用工業製品輸出入状況
   舶用工業製品の輸出入状況等、業界の貿易動向に関する基礎的な統計を作成した。
 [1] 統計データの項目
  a.船舶用機関、艤装品及びこれらの部品等の輸出契約実績報告
  b.船舶装備用輸入品入手実績報告
 [2] 作業内容
   [1]のデータを磁気テープに入力又は、カードパンチし、コンピューターで処理した。
 [3] 成果物
  a.名 称  平成9年「舶用工業製品の輸出入状況」
  b.規 格  A4版オフセット印刷 177頁
  c.部 数  400部
■事業の成果

世界の大型船に搭載されている主機関の半数近くが日本で生産されていることから、その実態を明確に把握し、生産・受注動向の推移をみることは、エンジンメーカーのみならず、関連部品メーカーはもちろん、造船所・船主にとって意義がある。各国舶用機関の生産動向(報告書)は、この目的及び要望に沿って毎年作成している統計であり、この方面で権威ある統計として業界から好評を得ている。

 舶用工業製品の生産及び輸出入状況を、統計によって全体的かつ詳細に把握した舶用工業統計年報(報告書)及び舶用工業製品の輸出入状況(報告書)は、当業界の最も信頼のおける統計であり、業界の動きを知る上で重要な役割を担っている。各会員企業の、経営判断の資料となるのみならず、運輸省においても、当該分野における運輸行政上の最も基礎的な資料となっている。

 また、これらの統計は、他団体及び他業界の広報統計としても役立っている。

 このように、本事業の成果は、中小企業が多い当会の会員が、適切で安定した企業活動をめざして、今後の経営計画を策定していくうえで、非常に有力な支援となっていることは大いに意義があったと確信する。





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