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「舶用品製造事業場等における品質管理体制に関する調査研究」の報告書

 事業名 舶用品製造事業場等における品質管理体制に関する調査研究
 団体名 日本船舶品質管理協会  


■事業の内容

最近の舶用工業界では市場競争の激化に伴い各種の企業合理化を急速に進めておりその方策の一つとして、工場の分散化、専業化、OEM生産等生産体制の見直しや変更を実施するケースが多く見られるようになってきた。一方、製品の安全確保のための規範ともなる現行の法規は、部品の加工から製品完成までの全ての工程を一貫して自社で行う生産体制を念頭においたものであるため、生産体制側の変化には即さない面を有するようになってきた。
 このような現状に鑑み、ISO等の国際化や環境問題をも視野に入れながらこれからの製造事業場として、法の理念を生かしながら製品の安全性を確保するための手法はいかにあるべきか、規範となる法規の合理的運用はどうあることが望ましいか研究することを目的として、品質管理面に重点を置いて現状調査と問題点の抽出並びに改善提案するための事業を実施した。
(1) 実施要領
事業目的を達成するために学識経験者やメーカーの協力を得て委員会を構成し実施した。
 [1] 本委員会  年4回開催
 [2] 作業部会  年3回開催
(2) 実態調査
舶用品製造事業場の活動実態を把握するため、当協会の会員会社からサンプルを抽出し、現地での実状調査とアンケートによる調査を実施した。
 [1] 現地調査     7事業場
 [2] アンケート調査  60社
(3) 調査結果の評価
調査結果をとりまとめ、委員会の審議にて評価を行った。
 [1] 現地調査からの結果
  a.全社がISO9000シリーズの認証を取得しており、その内の2社は14000シリーズを併せて取得している。
b.製品の設計は、ほとんどの会社が自社設計であるが、1社のみ他社に委託しているものもあった。
  c.生産態勢は外注依存度も高く、鋳造はプロペラや一部の製品を除いてほとんどが外注委託されている。機械加工は仕上げ段階は自社でするものの、荒加工段階は半数程のメーカーが外注委託している。
    仕上加工は部品によっては30〜40%が外注委託されているが、主要部品はほとんどが社内加工されている。
  d.外注委託先の管理は実施されているが、相手先の企業規模に差が大きく、バラツキも見受けられる。
  e.OEM生産方式を採用しているケースもある。
 [2] アンケート調査からの結果
  a.88%の事業場がISO9000シリーズの認証を取得しており、その内の6事業場は14000シリーズを併せて取得している。
  b.製品設計はライセンスものを除き7社が外注委託しているが、他は自社で行っている。
  c.生産態勢では、原材料や素材の一部を海外から調達している事業場もある。
    また、部品によっては完成品として海外から調達しているものもある。鋳造はプロペラや一部の製品を除いてほとんどが外注委託されている。機械加工の外注委託はかなり普及しており、部品によっては50%に至っている。仕上加工は、主要部品はほとんどが社内加工であるが、部品によっては完成品のレベルに近い状態で納品されているケースがある。
  d.型式承認品の一部には自社で材料を製造するものの、その後の加工、組立関係を外注委託し自社製品としているものもある。
  e.外注委託先の管理は実施されているが、相手先の企業規模に差が大きく、バラツキも見受けられる。
■事業の成果

(1) 調査結果のまとめ
調査結果から現状分析して、次のような見解が導かれた。
 [1] 運営状況について
  a.企業としての品質管理体制への取り組み
    ISO9000シリーズの認証を取得している製造事業場が圧倒的に多く、関心の高さと普及の程度がうかがえる。次の段階では急速に14000シリーズの取得に向かうものと推定される。
  b.外注委託の拡大
    海外調達も一部で行われており、今後の経済環境の変化によっては拡大することが予測される。
    また、製造工程の外注委託の割合は自社工場の稼働率調整によって変動はするものの、コスト、環境、労務条件等の問題から拡大基調にある。
  c.外注システム
    外注委託先の選定条件は、全ての事業場が制定しているものの、外注物件に対する要求品質が文書として明確さに欠けているものもある。
    また、監査にたいしては相手先の企業規模の格差が大きく管理にバラツキが見られる。
  d.外注委託先での品質管理
    自主検査を実施しているが、委託元の「要求技術基準」に明確さを欠く部分も見受けられるので、検査の内容や体制に今一歩の感がある。
    また、企業規模のレベル差もあり、委託元と同一レベルの品質保証システムや自主検査体制ほどは採られていない。
  e.外注委託品の受け入れ
    全ての製造事業場が、「受入検査規則」を制定し、受入検査の実施方法及び実施担当部門を明確にしている。
 [2] 現時点での問題点(課題)
  a.製造態勢や設備を「登録」している関係で製造方式が固定化され硬直化するので、臨機応変の対応がとりにくい。
  b.外注委託先の監査はレベル差の問題もあり実施に困難を伴う。
  c.外注委託先の企業格差により管理にバラツキが生ずる。
  d.最新設備の保有能力と製造工程中の検査のタイミングに不整合が生じ、検査に係わる工数が増大している。
  e.製品の設計思想と使用者(船舶側)の技術レベルや人員数、使用状況等との間の差が大きい。(設計品質が生かされなかったり、製造品質や整備が過剰になる等)
(2) 舶用品製造事業場として採るべき品質管理の在り方(提言)
 [1] 自社の品質保証システムの一層の充実を図るとともに透明性を持たせる。
 [2] 外注委託品に対する品質管理を確立する。
 [3] 品質管理が確立された分散型製造方式をとる事業場についても、製造認定事業場と同等の資格を与える。
 [4] 外注委託品に対する受け入れ側の自主検査体制の充実
 [5] 事業場及び外注委託先における品質保証に関する責任権限の明確化
 [6] 外注委託先選定基準の明確化
(3) 要望事項
 [1] 認定事業場の機能拡大
 [2] 自主検査の範囲の拡大
 [3] 認定材料の拡大
(4) 今後の課題
 [1] 技術基準→ISO技術基準等の活用
 [2] 製造管理→ISO認証等の活用
 [3] 製造検査→自主検査範囲のさらなる拡大
 [4] 使用中の検査→設計及び製品品質とメンテナンス方法との調和





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更新日: 2019年9月21日

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