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海難審判庁裁決録(平成10年度)
事業名
海難審判庁裁決録の刊行配布
団体名
海難審判・船舶事故調査協会
1998年(平成10年)
号
平成10年横審第72号
件名
引船第6三福丸乗揚事件〔簡易〕
事件区分
乗揚事件
言渡年月日
平成10年12月16日
審判庁区分
地方海難審判庁
横浜地方海難審判庁
(
長浜義昭
)
理事官
大本直宏
受審人
A 職名:第6三福丸船長 海技免状:一級小型船舶操縦士
指定海難関係人
損害
船底部に凹損
原因
船位確認不十分
主文
本件乗揚は、船位確認が不十分であったことによって発生したものである。
受審人Aを戒告する。
適条
海難審判法第4条第2項、同法第5条第1項第3号
理由
(事実)
1 事件発生の年月日時刻及び場所
平成10年6月18日23時45分
京浜港東京区
2 船舶の要目
船種船名 引船第6三福丸
総トン数 19.93トン
登録長 13.64メートル
機関の種類 ディーゼル機関
出力 117キロワット
3 事実の経過
第6三福丸(以下「三福丸」という。)は、鋼製の引船で、A受審人が単独で乗り組み、友人3人を同乗させ、港内遊覧の目的で船首1.0メートル船尾2.0メートルの喫水をもって、平成10年6月18日23時00分東京都江東区越中島1丁目地先の定係地を発し、京浜港東京区のレインボーブリッジ付近の水域に向かった。
ところで、レインボーブリッジ南側にある第6台場の南東方約250メートルから南西方に向かって総延長約670メートルの防波堤(以下「防波堤」という。)が、中間で約70メートルの間隔を置いて設けられ、防波堤の北西約50メートル沖より陸側が浅水域となっていた。
また、A受審人は、専ら京浜港鯨区内で昼間及び夜間に本船を運航していて、港内の水路事情に詳しく、防波堤周辺が浅水域となっていることを知っており、レーダーが設置されていなかったものの、日ごろ夜間には豊富な陸上の明かりを頼りに防波堤等からの距離を目測して港内を無難に航行していた。
こうしてA受審人は、晴海運河を南下した後、晴海、豊洲両埠頭間の水路を西航し、23時37分、13号地信号所(以下「13号地信号所」という。)から344度(真方位、以下同じ。)1,920メートルの地点に達したとき、針路を201度に定め、機関を全速力前進にかけ、6.0ノットの対地速力とし、レインボーブリッジの下を手動操舵により進行した。
A受審人は、23時39分半東京第6台場西灯浮標を左舷側10メートルに離して通過したとき、機関を極微速力前進に減じ、第6台場を反時計回りに一周して帰途につく予定で左転を開始したものの、7色にライトアップされた13号地その1にあるビル屋上の展望台を前方に認め、しばらくの間見物してから再び左転することとし、同時42分13号地信号所から334度1,310メートルの地点において、針路を同展望台に向首する117度とし、2.0ノットの対地速力で続航したが、その後同乗者と雑談しながら同展望台を仰ぎ見ることに気をとられ、防波堤からの距離を目測するなどして船位確認を十分に行うことなく、防波堤の間隙にたまたま向首していたこともあって、浅水域に接近していることに気付かないまま進行中、23時45分13号地信号所から340度1,170メートルの地点において、原針路、原速力のまま、防波堤前面の浅所に乗り揚げた。
当時、天候は晴で風はほとんどなく、潮候はほぼ高潮時で、視界は良好であった。
乗湯の結果、船底部に凹損を生じ、来援した引船によって引き下ろされた。
(原因)
本件乗揚は、夜間、京浜港東京区のレインボープリッジ付近を遊覧のため航行する際、船位確認げ不十分で、防波堤周辺の浅水域に向首、進行したことによって発生したものである。
(受審人の所為)
A受審人は、夜間、京浜港東京区のレインボーブリッジ付近を遊覧のため航行する場合、防波堤周辺に浅水域が存在していることを知っていたのであるから、同浅水域に接近することのないよう、防波堤からの距離を目測するなどして船位確認を十分に行うべき注意義務があった。しかしながら、同人は、同乗者と雑談しながらライトアップされたビル屋上の展望台を仰ぎ見ることに気をとられ、船位確認を十分に行わなかった職務上の過失により、防波堤周辺の浅水域に向首、進行して乗り揚げ、船底に凹損を生じさせるに至った。
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