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海難審判庁裁決録(平成10年度)
事業名
海難審判庁裁決録の刊行配布
団体名
海難審判・船舶事故調査協会
1998年(平成10年)
号
平成10年横審第11号
件名
プレジャーボートハナブサ乗揚事件〔簡易〕
事件区分
乗揚事件
言渡年月日
平成10年7月3日
審判庁区分
地方海難審判庁
横浜地方海難審判庁
(
猪俣貞稔
)
理事官
大本直宏
受審人
A 職名:ハナブサ船長 海技免状:一級小型船舶操縦士
指定海難関係人
損害
船底部外板に亀裂、船室床下に浸水
原因
気象海象に対する配慮不十分
主文
本件乗揚は、錨泊中の気象海象の変化に対する配慮が不十分で、浅所に向けて走錨圧流されたことによって発生したものである。
受審人Aを戒告する。
適条
海難審判法第4条第2項、同法第5条第1項第3号
理由
(事実)
1 事件発生の年月日時刻及び場所
平成9年8月24日13時30分
東京湾第1海堡
2 船舶の要目
船種船名 プレジャーボートハナブサ
登録長 8.14メートル
機関の種類 電気点火機関(2基)
出力 278キロワット
3 事実の経過
ハナブサは、最大搭載人員
10
人の
FRP
製モーターボートで、
A
受審人が乗り組み、友人
1
人を乗せ、レジャーの目的で、船首
1.4
メートル船尾
1.5
メートルの喫水をもって、平成
9
年
8
月
24
日
09
時
00
分千葉港千葉区第
2
区の三井造船敷地内にある五井ルポール三井マリーナを発し、千葉県富津岬沖に向かい、
11
時
00
分第
2
海堡灯台から081度(真方位、以下同じ。)2,350メートルの地点において、重量20キログラムの錨を船首から投じ、錨索25メートルばかりを延出して錨泊した。
A受審人は、友人が遊泳に興じていたので、その間、錨泊を続けることとしたが、強風注意報が発表されていなかったこともあって、風が強まることはあるまいと思い、船室で休息しているうち、いつしか仮眠し、出航時には風力2程度の北寄りの風で海上は穏やかであったものの、昼ごろより局地的に変化して西寄りの風波が強まり、走錨し始め、第1海堡に向けて圧流されていることに気付かなかった。
13時30分少し前A受審人は、ふと目覚めたとき錨が引けて第1海堡の西端間近に接近していることに気付き、急いで機関を前進にかけようとしたが、間に合わず、13時30分第2海堡灯台から081度2,400メートルの地点において、ハナブサは船首を西に向けたまま、水深115メートル以下の浅所に乗り揚げた。
当時、天候は晴で風力5の西風が吹き、潮候は下げ潮の末期に当たり、付近海上には白波が立っていた。
船体は波により岩場に打ちつけられ、自力航行不能となり、付近にいたプレジャーボートにより木更津マリーナに引きつけられた。
この結果、船底部外板に3箇所の亀(き)裂を生じたほか、船尾部に取り付けてあったスピードメーターが外れた箇所から船室床下に浸水したが、のちそれぞれ修理された。
(原因)
本件乗揚は、東京湾第1海堡西側近くで錨泊中、気象海象の変化に対する配慮が不十分で、西寄りの強まった風波を受けて走錨し、同海堡に向けて圧流されたことによって発生したものである。
(受審人の所為)
A
受審人は、友人とともにレジャーの目的で第
1
海堡西側水域に至り、友人が遊泳を楽しんでいる間、同海堡の西側近くで錨泊を続ける場合、風波が強まってきたときに対処できるよう、適宜海上を観察するなど気象海象の変化に十分配慮すべき注意義務があった。しかしながら、同受審人は、出航時から風波が穏やかであったこともあって、船室で休息していて、気象海象の変化に十分配慮しなかった職務上の過失により、走錨圧流して浅所に乗り揚げ、船底部外板に
3
箇所の亀裂を生じたほかスピードメーター取付箇所から浸水させるに至った。
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