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ふるさと防火委員会

 

奈良県・西和幼少年女性防火委員会

「一人ひとりが防火の核に」

 

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当消防組合は、奈良盆地の北西部に位置し、平群町・三郷町・斑鳩町・安堵町・上牧町・河合町・王寺町の7町で構成されている。管内の中央部を東西にJR関西本線が貫通し、これとほぼ平行に西名阪自動車道が、また大阪と奈良を結ぶ主要幹線道路として国道25号線がそれぞれ縦断している。さらに南北には国道168号がある。

以上のように管内全体が交通の要衝であるとともに、大阪に近いという地理的条件から、大阪のベッドタウンとして中高層建築物が増大し都市化の進展を見ており、消防、救急需要も益々増大している。

また、斑鳩町には、日本ではじめて世界文化遺産に登録された法隆寺があり、大切な文化財を後世に伝えるという使命を抱えている地域である。

出火率(人口1万人当たりの件数)は、平成9年2.89件(奈良県出火率4.17件)で近年は、車両火災が増加の傾向にある。

防火委員会の設立については、幼年消防クラブが2団体、女性防火クラブが1団体設立されておりましたが、各クラブの新たな結成への促進並び事業の拡大、適正なクラブの育成に努めるという目的をもって、西和幼少年女性防火委員会が平成6年6月に設立され、特に毎年1月に実施している「防火もちつき大会」は、幼年消防クラブ・女性防火クラブが一体となり日本古来の行事であるもちつきを行うことにより、一層の結束力を強めている。また、新年の決意を新たに防火の気持ちをこめて仕上げられた小もちは、クラブ員たちにより管内の老人ホームのお年寄りたちに防火の言葉を添えて手渡され高い評価をうけている。

今年は、春季火災予防運動の行事として初の試みとなった、「子供119番音楽まつり」を催した。この行事は、幼年消防クラブのみならず管内の保育園、幼稚園から多数の参加を得て各出場団体の趣向を凝らした出し物に、一般鑑賞者からの拍手がホールに響き渡り、終始なごやかなムードで進められた最後に幼年消防クラブにより、日本防火協会から贈与された鼓笛隊セットを使って、火の用心の歌を演奏し参加者全員で合唱した。幼年消防クラブのPRもさることながら、音楽を通し防火の輪が広がったことを、実感させられた。

幼年消防クラブの主な活動としては、恒例の一日消防士体験入署、防火もちつき大会、防火パレード。各予防運動においては、老人ホームの防火慰問、山林防火の集い、防火カルタ取り大会、一日消防署長等地域住民に対しての火炎予防にも一役かっている。また、女性防火クラブの活動としては、恒例の、町内防火夜回りをはじめ、予防運動週間における車両防火キャンペーン、街頭及び店頭広報、山林防火ハイキング等、広報活動のみならず視察研修においては近隣の防災センターにて体験学習を実施するなど防災知識の習得に意欲をみせている。

[各クラブの結成状況]

当消防組合における結成状況は、次のとおりとなっている。幼年消防クラブは、平成4年に2団体が結成され平成9年に1団体が増え、現在は3団体・126人である。女性防火クラブについては、平成5年に1団体、翌年に1団体が結成され2団体・83人となっている。

当地域は、比較的災害の少ない土地柄ではあるが、平成7年1月に発生した阪神・淡路大震災のような、大災害を目のあたりにし、一人ひとりが地域社会の防火の核となり防火の輪を広げることに決意を新たに貢献していきたい。

 

 

 

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