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無火災を目指して(私達に出来ること)

 

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富山県・八尾町野積婦人防火クラブ

副会長 谷井 重子

 

八尾町野積婦人防火クラブの谷井でございます。初めに、皆さんに八尾町を紹介させて頂きます。

八尾町は富山市より南へ15キロ、岐阜県に隣接する人口23,000人の小さな町です。昭和59年に、西町地区91名、大長谷地区20名で八尾町婦人防火クラブが発足、今日までにクラブ員は、8地区、776名になりました。

防火クラブ員一同、無火災の町を目指して、会員増加の為に頑張っています。

八尾町防火クラブの活動として、1月6日の出初め式には、紫の制服に身を固め、男子消防団員に負けじと、婦人防火クラブの存在をアピールしています。また、春と秋の火災予防週間には、防火広報車に各地区の代表が乗り合わせ、マイクを片手に、場所に応じた言葉で、火の用心を呼びかけていきます。

現在、八尾町には、防火クラブの支部は8地区にありますが、まだ3地区にはありません。防火クラブのある地区は、火災ゼロなのですが、大変残念なことに、ここ数年の火災は全て防火クラブのない地区に起きています。

そこで、私達は防火クラブ結成の働きかけと同時に、火災予防週間には、防火広報車で防火クラブのない地区を重点的に呼びかけました。その効果もあってか、今年5月には、黒瀬谷地区に会員217名大きな支部が結成されました。

野積地区は、越中八尾駅より南に5キロ、地区の中央を野積川が流れ、民家が点在する、山と緑に囲まれた、自然が一杯の山村地区です。昭和62年1月27日、地区内で住宅を半焼する火災があり、これを機に婦人会が中心となって、野積婦人防火クラブが結成されました。クラブには、34歳から73歳までの幅広い年齢の主婦130名が加入しました。

その後、平成元年9月には、第5回全国婦人消防副操法大会に、富山県代表として出場することになりました。クラブ員の中から野積婦人消防隊を結成。私は、隊員の一人として参加しました。家族の理解と、消防署、消防団の皆さんを始め、地区全体の温かい励ましと熱心なご指導の元に、思いもよらない優秀賞という大きな御褒美を頂き、あの時の感動は、生涯忘れることが出来ません。

また、多数の住民が集まる野積地区最大のイベント「野積の里清流フェスティバル」で、多くの方に、もっと防火に関心を持ってもらおうと防火寸劇をすることにしました。

ストーリーから舞台道具作り、演出、語りまで全て自分達の手作りです。高齢者の人にもよく解ってもらえる様にと、演技はできるだけオーバーにするよう心掛けました。

ストーリーは、夫の帰りを待ちながら、夕食の天ぷらを揚げ、鼻歌を歌っている妻。そこへ電話。コンロの火を止めずに、電話相手と近々ある同窓会の話など、時間を忘れ夢中で話し込む。電話を終えて台所に戻る。天ぷら鍋に火が入っているのを見て、妻はびっくりして腰を抜かす。というものでした。私達の素人芸が大受けしたのか、一段と大きな拍手。最後にスタッフ全員がステージに上がり、防火クラブ会長の挨拶と、小学生が作った防火標語『小さな油断が大きな火事に』を、会場の皆さんに声を合わせて言ってもらいました。天ぷらを揚げるという、ごく身近なことを取り上げたことで、改めて火事の怖さを解ってもらえたと思います。

家の中で一番火を扱う時間の長い私達が、火災から家庭や財産を守っていくのは主婦としての務めです。「我が家から絶対に火事を出しません。」をスローガンに掲げ、火災ゼロを願い、頑張っていきたいと思っています。

 

 

 

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