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防火広報用視聴覚資器材の活用状況

山形県酒田市少年婦人防火委員会

 

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当組合は、山形県の北西部に扇状をなす庄内平野を東西に流れる最上川が日本海に注ぐ河口に位置する酒田市を中心とし、その周辺の立川町・余目町・遊佐町・八幡町・松山町・平田町の1市6町で構成され、北は秋田県、東は最上広域市町村圏事務組合、南は鶴岡地区消防事務組合に境を接しています。

中心である酒田市は、重要港湾の指定を受けている本港と北港を有し、その背後地は工業的立地条件に恵まれており、陸・海・空の交通ネットワークの一環として東北横断自動車道の整備が急ピッチで進められています。

また、組合管内全域は土地豊沃にして農業的に恵まれ、庄内米をはじめ各種農産物の生産地として知られています。

さて、平成7年10月に交付を受けました視聴覚器材は各種防災訓練等で大活躍し、平成8年に63回、平成9年に59回、今年は6月までに32回の使用実績があります。

交付を受ける以前には16ミリ映写機を使っていましたが、器材の持ち運びが不便なことと、会場での設定がめんどうであったため、今では手軽で簡単なビデオプロジェクターがすっかり主流になりました。

管内には、幼年消防クラブ65団体4,833名のお友達がいて、消防自動車の展示と防火ビデオの上映をとても楽しみにしています。管轄の消防署と分署で毎年1〜2回巡回して、避難訓練や消火訓練(酒田では幼児でも例外ではありません。)の後に防災ビデオの上映をするわけですが、大人を対象とした防災講習会では常に新しい情報を提供しないと苦情が出てしまいますが、しかし、幼児は同じものを繰り返して鑑賞しても表情が生き生きしとても喜んでくれます。

特に人気が高い作品は「わんわん火事だ、わん」と「忍たま乱太郎の地震用心火の用心」の2作品で、春と秋の火災予防運動期間中には調整に苦労しているしだいです。

最近、中高生の深夜俳徊や放火事件が頻発するようになりましたが、同じ作品を繰り返して鑑賞してもらうことによって幼児たちに、しっかりした防火意識が芽生えてくれるのではないかと期待しています。

ほかに要望が高いものの中に小学校4年生の社会科の資料として、昭和51年の酒田大火の写真やビデオテープの貸出があります。

つい最近も北海道のある小学校から大火に関する資料の提供依頼がありまして、写真やビデオテープを送ってあげました。私たちにとっては忌まわしい記録映像ですが、先生からいただいた丁重なお手紙のなかに、「生々しい迫力のある映像から多くのことを学習することができて、児童たちがとても感激していました。」と、したためてあり、少しはお役に立てたかなと思っています。

本来ならば、地域にあった資料を消防が独自に作成し、さまざまな情報提供ができるように変化して行く時期に来ているのでしょうが、未だ積み残しの課題が多く、なかなか具体策が見えません。

最後に、これからの要望といたしまして、全国向けの映像資料の提供のほかに、ぜひ地方の「○○消防署の一日」(できればコメディー調にまとめてもらいたい。)等を企画されますようお願いいたします。

 

 

 

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