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ふるさと防火委員会

茨城県藤代町幼年少年婦人防火委員会

「家庭の防火は主婦の手で」

 

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本町は、茨城県の南西部に位置し都心から、40km圏内にあり、人口3万5千人の町である。近年は、都市近郊からベッドタウンとして大規模な住宅団地、高層マンション等が数多く建設されており、周辺地域には、筑波研究学園都市、成田国際空港など近代都市施設の中間点にある緑豊かな町である。

また、坂東太郎で知られる利根川と暴れ川で有名な小貝川とに挟まれた相馬二万石の穀倉地帯である。

小貝川は、昭和だけでも5回の決壊をくり返すなど甚大な被害をうけ、そのためか、昔から隣家とは実によく助け合って生活する習慣ができている。

河川が増水し堤防巡視や危険個所の水防工法ともなると、三日三晩の水防作業となり、心身共に疲労も限界に達する。

ここで大切な絆、互助精神が発揮されている。今日の予防消防の思想の基礎となったのもこの精神であり、「自分たちの地域は自分たちで守りぬく」強固な意志と協同責任感は今でも守り通している。

この隣保精神で各種行事を成功させている町である。

出火率(人口1万人当たりの件数)は、平成9年2.6件(茨城県出火率6.5件)で特に県下でも火災の少ない町であることが特徴である。

家庭内においての実質的な火の取り扱い責任者は私たち主婦であるという事から、藤代町幼年少年婦人防火委員会が昭和55年11月に設立され、特に毎年秋の火災予防運動期間中に、クラブ員を対象に書道、絵画、作文等の防火作品展を催している。作品の数は700点以上、他に模擬店や電気、ガスコーナーなど安全な器具の取扱い方にも力を入れている。バザーの売上金でひとり暮らし老人宅へ火災速知器や消火器を贈ってきている。この仕事は、クラブ会員が主催となって行っており、福祉バザーとして高い評価を受けている。又、次代を担う子供たちとその父母にも防火思想の重要性をより一層深めてもらうことを目的として「親子で学ぶ防火教室」を開催している。

 

[各クラブの結成状況]

本町における民間防火組織の状況は、次のとおりとなっている。幼年消防クラブは、100%結成されており、792人のクラブ員が活動、少年消防クラブも、全小学校結成されており、402人のクラブ員が活動している。主な活動としては、恒例の消防本部、署の庁舎施設、消防車両、救助訓練等見学、花火教室、防火七夕、消防車両等の写生会及び防火作品展参加、起震車の体験、消防学校体験入校、年末地区内の防火巡回等火災予防の啓発活動も積極的に取り組んでいる。

また、婦人防火クラブは、各団地をはじめ農村部を含め10クラブ結成されており、586人のクラブ員が活動、総会は観光地、文化施設及び水防施設等を視察する移動総会を行い、会員相互の親睦と予防消防の学習を行い自ら防災に備える心構えを作る動機付けを行っている。

クラブ員の守りごとは、相手方に電話をするとき又は訪問するときは、必ず「ガスコンロ等、火は使用していませんか?」から話を始める。

活動としては、各クラブ毎年恒例の、防火教室、消火演習及び消火器の斡旋、救急講習会、消防学校体験入校、火災予防週間の立看板設置及び防火チラシの配布等クラブ等を活かした広報活動また、国、県、町主催で行う研修会等に積極的に参加し、防火思想の高揚普及に努めている。

当町は南関東直下型地震の恐れのある地域に指定されるなど、自主防火、防災組織の重要性が認識され新たなクラブの結成、既存クラブの活動の充実強化をはじめ、消防団、常備消防との連携を密にし、住民一体となって恒久的な“安全で安心して暮らせる町づくり”に少しでも貢献していきたい。

 

 

 

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