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洋上救急の概要

 

○ 概要

洋上の船舶上で傷病者が発生し、医師による緊急の加療が必要な場合に、医師等を海上保安庁の巡視船・航空機により現場に急送するとともに、患者を巡視船等に引取り、医師の救急措置を加えつつ、陸上の病院にできるだけ早く搬送する制度です。

 

○ 体制整備の経緯

(社)日本水難救済会は、昭和60年10月1日から洋上救急事業を開始しました。

医師の洋上における往診は、海を職場とする人々の長年の念願でありましたが、人命救助と船員福祉という人道的観点に立脚して、昭和59年12月3日に行われた運輸大臣に対する海上安全船員教育審議会会長からの建議に基づき、海上保安庁を始め関係官庁、医療機関、関係公益法人並びに関係民間団体が協力して整備したものです。

 

○ 仕組

1] 洋上の船舶上で傷病人が発生した場合、通常、医療通信で医師の指示を受けていますが、医師の加療が必要な場合、船主、代理店等(以下「船主等」という。)を通じ、あるいは直接、海上保安機関または洋上救急センターに医師の洋上往診を要請します。

2] 要請を受けた海上保安機関または洋上救急センターは、協力医療機関と協議し、医師の洋上往診が必要であると判断された場合には、洋上救急センターは、直ちに協力医療機関に医師および看護婦等の派遣を要請します。この要請は、海上保安機関が代行することがあります。

3] 協力医療機関が医師等の派遣を決定した場合、海上保安機関は、医師等を巡視船・航空機に乗せ、現場に急送します。同時に傷病者発生船舶は海上保安機関の指示に従い会合地点に向かいます。

4] 巡視船は、ヘリコプター等により傷病者発生船舶から傷病者を収容し、医師の応急措置を行いつつ、できるだけ早く陸上の医療機関に搬送します。

5] 洋上救急センターは、協力医療機関に出動協力費を支払います。また、船主等から負担金を徴収するなど必要な事後処理を行います。

6] 洋上救急支援協議会は、以上の事業を支援します。

以上について図示すると次のとおりです。

 

 

 

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