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(9) 船長は、

1] 船舶の衝突、乗掲、沈没、火災、機関の損傷その他の海難が発生したとき

2] 人命または船舶の救助に従事したとき

3] 無線電信によって知ったときを除いて、航行中他の船舶の海難を知ったとき

4] 船内にある者が死亡し、または行方不明になったとき

5] 予定の航路を変更したとき

6] 船舶が抑留され、または捕獲されたときその他船舶に関し著しい事故があったときは行政官庁にその旨を報告しなければならないこととなっている(第19条)。船長は、この報告をしようとするときは、遅滞なく、最寄りの地方運輸局等の事務所(*1)において、地方運輸局長等(*2)に対し報告書2通を提出するとともに、航海日誌を提示しなければならない(則14条)。また、船長及び船舶所有者は、その報告した事実について、申請書を提出し、かつ、航海日誌を提示して報告書の写しに地方運輸局長の証明を求めることができることとなっている(則15条)(*3)。

(*1) 地方運輸局等の事務所とは、地方運輸局、海運監理部、地方運輸局または海運監理部の海運支局及び法第104条の規定に基づき行政官庁の事務を行う市町村長([指定市町村長」という以下同じ。)の事務所である。

(*2) 地方運輸局長等とは、地方運輸局長または指定市町村長である。

(*3) 書式は則第四号書式及び第四号の二書式による。

 

(10) 船長は、船内にある者が死亡し、または行方不明となったときは、船内にある遺留品について、保管その他必要な処置をしなければならないこととなっている(第16条)。つまり、船長は、遺留品の処置として、遺留品を取り調べ遺留品目録を作成し、これを遺留品とともに権利者に引き渡さなければならないが、このような権利者の在否、所在が不明なときは船長または船舶所有者は、最寄りの地方運輸局長に遺留品及び遺留品目録を提出しなければならないのである(則7条)。この場合、船長または船舶所有者は、遺留品目録の写しに地方運輸局長の証明を求めることができることとなっている。(則8条)。

 

(11) このほか船員法は、船長の義務として在外国民の送還の義務について規定している(17条)。

 

3. その他

船員法は、船長の義務及び権限のほか、船長の職務の代行(第20条)、海員の船内秩序として守るべき事項(第21条)及び労働関係に関する争議行為の制限(第30条)について規定している。

 

〔III〕 雇入契約等

 

雇入契約とは一特定の船舶において一方の当事者(船員)が相手方(船舶所有者)に対し労務に服することを約し、相手方が、これに報酬を与えることを約することによって成立する労働契約である。

 

 

 

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