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第16章 危険物の運送及び貯蔵

 

船舶の安全を確保するためには、積荷の取扱いについての十分な配慮が必要なことはいうまでもない。特にその性質上爆発性、易燃性、有毒性とうの危険性を有する貨物の取扱いは、直接人命に危害を及ぼす恐れがあるばかりでなく、船舶の堪航性をも害する危険性を有しているのである。

このような観点から船舶安全法は危険物船舶運送及び貯蔵規則において、危険物の容器、包装、標札、積載方法、荷役、その取扱い方法、タンクの構造、積付設備及び貯蔵設備等について定め、これを遵守させることにより危険物の安全な運送及び貯蔵の確保を図ることとしているのである。

なお、危険物の運送基準についてはSOLAS条約に準拠し、放射性物質の運送については国際原子力機関(IAEA)の放射性物質安全輸送規則(1985年)に準拠した原子力委員会の決定である放射性物質の輸送に関する技術基準について(平成2年8月)に準拠したものである。

 

1 適用船舶

(1) 日本船舶は、その種類、大小、検査対象船舶であるか否かにかかわらず、すべての船舶に適用される。

(2) 外国船については、第3章(法の適用)第2節(外国船に対する適用)において述べたとおり、船舶安全法施行地内にある限り、適用される。

 

2 危険物の範囲

危険物は次のとおり分類され、その数は2500品目にのぼっている(危険物第3条)。

(1) 火器類

(2) 高圧ガス

(3) 腐しょく性物質

(4) 毒物類

(5) 放射性物質等

(6) 引火性液体類

(7) 可燃性物質類

(8) 酸化性物質類

(9) 有毒性物質

 

 

 

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