(2) 貨物を旅客室、船員室その他最大とう載人員を算定した場所に積載した場合には、当該貨物を占める場所に対応する人員がとう載されているものとみなされる(施規第9条2項)。
(3) 最大とう載人員は、あくまで運送の客体として人をとう載する場合の限度を示すものであるから、次に掲げる者は、最大とう載人員に関する規定の適用については算入されていないものと解すべきである。
(i) 水先人
(ii) 停船中にレセプション等船内観覧のため乗船する者
(iii) 荷役、修繕作業の準備等のため当該港において乗り込む作業員
(iv) 犯罪捜査、消防活動等法令に基づく職権又は任務を遂行するため乗り込む海上保安官、消防職員等
(v) 遭難者の救助、傷病船員の補充等、不可抗力、緊急避難に相当する理由により乗り込むことになった者
第4節 制限汽圧
ボイラは、火焔に触れ、高温高圧の蒸気を発生する装置であり、その構造においておのずから使用に耐え得る圧力の限度があるが、この最大限度の圧力で常用することは、危険この上もなく無謀なことである。万一無謀な使用をしたために爆発するようなことにでもなれば、機関の運転が不能になるばかりでなく、人命に危害を及ぼすことになり、時には船体を破損し、沈没の原因になりかねず、その被害ははかりしれないものとなる。したがって、ボイラの爆発を未然に防止するためには、常用し得る蒸気圧力を充分な安全率を見込んだ上で限定することが必要であり、この限度を定めたのものが、制限汽圧である。
1 制限汽圧の決定
制限汽圧は、定期検査又はボイラを初めて備え付けたときに行われる検査において、ボイラの構造が申請に基づく制限汽圧に適するか否かを判断してこれを決定するのであり、その変更の申請があれば、中間検査又は臨時検査において同様の観点から検査を行い適当と認められれば変更されるのである。
なお、制限汽圧の算定基準は、船舶機関規則に定められている(施規第10条)。
2 船級船の制限汽圧
船級船について、船級協会が制限汽圧を定めたときは、管海官庁がこれを定めたものとみなされる(法第9条第6項)。