年頭挨拶
第四管区海上保安本部長
神明 孝
新年明けましておめでとうございます。
中部小型船安全協会の会員の皆様におかれましては、本年も良いお年を迎えられたことと心よりお慶び申し上げます。
さて、昨年を振り返ってみますと、特に東アジアにおいては、各地で大雨による洪水が発生し大被害を被った国や、経済の低迷から政情不安に陥ったりした国もあったようですが、我が国においても、大手銀行等が廃業に追い込まれたり、景気が回復せず低迷基調から抜け出せない等の問題が継続しており、更には和歌山県で発生した毒入リカレー事件を契機に各地で食物に毒物が混入されるというような陰湿な事件が多発する年でありました。
当管区においては、インドネシアの政情不安に対しまして、邦人救出のため巡視船「みずほ」を派遣するなど新たな海上保安業務に対する国民の皆様のニーズを実感した年であったと思っております。
このようななか、貴協会におかれましては小型船舶を対象とした海難防止のための公益法人として、これまで安全講習会、親子安全教室等の諸事業活動を通じ、プレジャーボートの海難防止等の安全対策事業、海事思想普及活動を積極的に推進されておられますことに心より感謝申し上げる次第であります。
また、海上安全指導員の皆様におかれましては、プレジャーボートの事故防止、運航者のマナー向上のために、安全パトロール、現場指導にと日曜日、祝日等を返上して、積極的に取り組んでいただきましたことに対し、心から敬意と感謝を申し上げる次第であります。
さて、近年は、日本経済が低迷しているとはいうものの、海洋性レクリエーションが広く国民生活に浸透しつつあり、当管内におきましても、水上オートバイ、ヨット等の活動が多様化・活発化してきており、その進展には目を見張るものがあります。このような海洋性レクリエーションの進展に伴い、プレジャーボートの海難事故も後を絶たず、最近では海難事故発生件数に占めるプレジャーボートの割合が当管内のみならず、全国的に見ましても、漁船を抜いて第1位となっております。
また、昨年5月には熊野灘において6名の釣り客を乗せた瀬渡し船が荒天の中出港し、操船を誤り転覆、乗客3名が亡くなるという重大な海難事故も発生しております。
このような海難については、航海に関する初歩的な知識や技量の不足といったことが主な原因となっていることから、第四管区海上保安本部としましても、今後とも、貴協会と共に海難防止思想、海事知識の普及啓蒙等に努め、プレジャーボート等の海難事故を一件でも少なくしたいと考えておりますので、会員の皆様の御支援、御協力をお願い致します。