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第3章 官職分類

 

現在、政府全体に共通する官職分類制度は確立されていない。各省庁が独自に組織構造や職務規定などを定めており、既存の職務や新たな職務に職員を採用する場合、当該省庁自らが業務内容と義務を示す簡単な職務規定を作成している。採用されると「人に基づく等級(rank in person)」方式(「職務に基づく等級(rank in position)」方式に対するものとして)によって給与、等級が決定される。この方式は、教育水準に基づいており、職務のレベルに基づくものではない。

一般公務員には1〜4等級が適用されている。1等級及び2等級は、一般的、基礎的技能レベルの者に適用され、運転免許証、タイプ技能証明書等の資格証明書がこれらの等級格付に必要である。3等級は中等教育レベルの教育課程、職業・技術教育等を受けた者に、4等級は大学卒業程度の者に適用される。外国の学歴を有する者については、学歴証明書比定委員会の審査を経て等級が決定される。5等級と6等級は、次のとおり教育水準には基づいていない。

5等級 指導的地位に再登用されなかった者、4等級から昇格した者

6等級 指導的地位に任用された者(大臣、副大臣、県知事等)

 

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このように「人に基づく等級」方式によると、一つの省庁内や他の省庁との間で、同じような職務内容やレベルの仕事をしていても異なる等級に格付けされたり、異なる給与を支給される場合があり得る。

現在、官職分類制度が整備されていないため、職務規定を作成、改訂するシステムも政府内に整っていない。職務規定がなければ、職員を採用するに当たっての採用条件を決定するための明確な基準も存在しないし、勤務評価の基準を確立するための基礎となるものも存在しない。

 

 

 

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