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SLORCが全権を掌握した際、中央政府メンバーとして大臣、最高裁長官、法務総裁および会計監査院長官が指名された。また、公務員選抜研修院がSLORC直属とされ、さらに権限が強化された。その後、複数政党選挙委員会がSLORCの下に設置された。SPDCに移行してからも、基本的な統治構造は、SLORC時代と同様である。(参考図2 国家平和開発評議会(SPDC)統治機構図)

 

2 内閣と行政機構

 

行政機構は評議会・大臣が担う。現在、評議会の下に34省が置かれ(SPDC議長府および首相府を含む)、首相および3名の副首相がこれを統括する。各省はそれぞれに所属する局および機関(国有企業を含む)を管轄する。しかし、さらに下位に属する部局については、中央政府の管轄事項である特別プロジェクトを除き、各地方レベルの平和開発評議会がこれらを監督する。政府の構成は図3の通りである。(参考図3 行政機構図)

 

3 地方行政

 

ミャンマー連邦(Union)は、行政上7つの「管区」(Divisions)と7つの「州」(States)に区分される。それらはさらに62の「県」(Districts)、324の「郡」(Townships)、2,479の区(Wards)と13,747の村落区(Village Tracts)に分かれる。

平和開発評議会(Peace and Development Councils、97年11月までは法秩序回復評議会Law and Order Restoration Counils)が管区/州レベルをはじめ、県、郡、区/村落区の各レベルに設置されている。各レベルにおける評議会の構成は以下の通りである。

(a) 管区/州 平和開発評議会

議長:軍将校

委員:管区レベル総務局長、警察署長

(b) 県 平和開発評議会

議長:軍将校

委員:県レベル総務局長、警察署長

(c) 郡 平和開発評議会

議長:郡レベル総務局長

委員:郡レベル警察署長、移住・人口局長

(d) 区/村落区 平和開発評議会

議長:区/村落区の長老で区/村落区民の信任の厚い者

委員:同上(2名)

 

 

 

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