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いであろう。「卸売・小売業、飲食店」では「パートタイマー」、「アルバイト」が「増える方向」との回答が42%、41%で、この数値は「減る方向」の13%、24%を上回っており、この業種の特徴として臨機応変に対応できるパートタイマー、アルバイトの必要性の高さが感じられる。最後に、「金融・保険業、不動産業」は「パートタイマー」、「派遣労働者」について「増える方向」の回答がともに48%あり昨年の結果を僅かだが超えており、この業界ではこの形態の非常用雇用者の需要が多いものと思われる。

 

4. 常用雇用者に対する非常用雇用者の雇用形態別割合〔第13〜15表参照

企業の常用雇用者(いわゆる正社員)は、業績が好調な時や業務を拡大する場合には増加し、不況期には減るというのが一般的である。だが、正社員の枠をむやみに拡大すると、いざという時にその整理に苦労することになる。そこで、人員の調整のしやすい非常用雇用者をその都度雇用し業務の繁閑に対応してきた。しかし、ここ数年来の不況期においては正社員そのものがリストラの対象になり今後もこの状態が続くものと考えられ、それと同時に非常用の従業員の雇用も圧縮の方向にある。非常用雇用者といっても単なる「人手」としてのパートタイマー、アルバイト等と、ある程度の専門的知識を持つ人材派遣などに別れるが、その企業に在職する正社員に対しどのくらいの割合で形態別の非常用雇用者がいるかを昨年に引き続き調べてみた。

まず全体としての非常用の雇用者の状況をみると、「いない」と回答した企業は3%で昨年の6.1%より減っており、ほぼどの企業にもなんらかの形で非常用の雇用者がいることが分かる。内訳をみると「臨時・日雇い」、「アルバイト」、「外国人」については「いない」と答えた企業が6〜7割に及ぶが、「パートタイマー」が「いない」企業は32.1%(昨年調査29.5%)、「派遣労働者」は30.1%(同37.5%)で約7割の企業にはこれらの形態の雇用者がおり非常用雇用者の主力をなしているようである。

これらについて、正社員に対する比率をみるとどの雇用形態でも「1〜5%未満」に集中しているが、「外国人」だけは「1%未満」が25.9%(同22.3%)と数が少ないことを示している。「1〜5%未満」の回答のなかでは31.3%の企業が「派遣労働者」に頼っており他の形態にくらべてかなり高い。

ア. 企業規模別

規模別にみても傾向としては全体と大差ないが、「パートタイマー」は「1・2千人台」と「千人未満」の企業の「1〜5%未満」への集中度が高く、それぞれ24.6%、30.1%となっており、また、「5千人以上」、「3・4千人台」の比較的大きな企業では「派遣労働者」の「1〜5%未満」への回答が42.5%、36.1%と高い割合を示している。

イ. 産業別

産業別にみると各業種の特徴が見える。正社員に対する在職比率が「1〜5%未満」に高いのは変わりないが、「運輸・通信業」は「パートタイマー」でこのランクに44.5%の回答があった。また、「卸売・小売業、飲食店」ではこの雇用形態は「100%以上」に26.9%の企業が

 

 

 

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