(2) 非常用雇用者数の今後の増減方向〔第7・8表参照〕
現在の不況に加え企業は生き残りを賭けて経営体質の強化に取り組んでいることから、常用、非常用に限らず雇用数削減に力を注いでいることは今までに述べてきたとおりである。したがって、非常用雇用者の雇用の将来についても厳しい見通しになることはやむを得ないところであろう。将来「圧縮必要」とする回答は35.1%(昨年調査17.5%)で「増やす方向」の21.2%(同25.4%)より高く、前述の過去1年間の非常用雇用者の雇用実態の同一線上にある。また、「おおむね変わらない」とする回答も38.2%で昨年の約50%から大きく落ち込んでいる。
これを企業規模別、産業別にみると次のようになる。
ア. 企業規模別
規模別にみてもすべての規模において「圧縮必要」が「増やす方向」より多く、「圧縮必要」とするのが30%台であるのに対し「増やす方向」はおおむね20%台でその差はいずれの規模においても10ポイントを超えている。「おおむね変わらない」も「千人未満」の44%を除き30%台で昨年調査の5割前後からかなり減っている。
(注) ( )内の数字は、平成9年の調査結果を示す。
イ. 産業別
次に、産業別であるが、前に述べた「過去1年間の増減状況」と同じような状況にある。「卸売・小売業、飲食店」、「金融・保険業、不動産業」に加え「運輸・通信業」も「増やす方向」の回答が「圧縮必要」より多くなっている。すなわち、「金融・保険業、不動産業」は「増やす方向」43%、「圧縮方向」18%、残りの2産業は「増やす方向」がともに33%、「圧縮必要」はそれぞれ29%、22%であった。
全体的に非常用雇用者を減らす方向にあるのに、これらの企業で非常用雇用者を増やす方向の回答が多いのは、常勤の雇用者を減らし流動可能な人員構成を目指している、あるいは先述