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2. メンタルヘルス対策の内容〔第26図参照〕

メンタルヘルス対策を「講じている」、「講ずる予定がある」企業を対象にその内容を複数回答で調査したところ、回答企業130社中50.8%の企業が「社内外に相談室を設け、専任のカウンセラーをおいている」を挙げ最も高く、「管理・監督者に対し、メンタルヘルス教育・研修を実施している」が32.3%、「メンタルヘルスに関する冊子を作成し、社員に配付している」が28.5%で、この3項目がメンタルヘルス対策の具体的な取り組みの体制として一般的な方策となっていた。

なお、「その他」としては、「社内看護婦がメンタルヘルスケアーの講習を受けカウンセラーとして活動している」、「人事部が全社員の面談を年1回程度行っている」、「電話による相談窓口の設置」、「産業医がメンタルヘルスの専門家」等を挙げていた。

 

第26図 メンタルヘルス対策の内容

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VIII 今後の人事制度の改革〔第27図参照

 

人事担当者からみた今後の人事制度の改革を複数回答で調査したところ、その対象としては、まずは「能力・業績主義の徹底」であるとし、これを93.3%とほとんど全部の企業が挙げ、次いで「人事評定システムの改革・見直し」も74.3%と、4分の3の高い割合で挙げており、従来の年功を重視した制度から能力を重視する方向への脱却が極めて色濃く出ていることがうかがわれた。しかし、これらの諸施策は、どちらかといえば現在雇用中の雇用者向けの改善対策である。

他方、「アウトソーシングによる定型業務の効率化と組織のスリム化」を71.5%の企業が、「雇用の多様化に応じた採用方式の見直し(中途採用、非常用雇用者の拡大地)」を64.1%の企業が挙げており、その他50〜60%の間(2社に1社の割合)で、「部や課の統廃合によるフラット型組織への移行」、「専門職(スペシャリスト)の育成・専門職制導入」、「教育研修等能力開発の重視」等を挙げ、人材構造や将来への布石といった施策にも言及されており、21世紀の人事制度の在り方を予見させるものがある。

 

 

 

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