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3) 油分抽出試薬

各国の試験法で用いられる油分抽出試薬には、表2-2-5に示すように、舶査第52号による試験法での四塩化炭素のほか、クロロホルムや塩化メチレンがある。このうち、四塩化炭素は、既に製造が禁止されており、今後継続して使用できる見込みがないことから、MDPC法では、これ以外のものを油分抽出試薬として使用する必要がある。ここでは、各抽出試薬の測定波長と吸光度との関係について試験を実施し、最適な抽出試薬を選定することとした。

 

表2-2-5 各国の試験法で用いられている油分抽出試薬

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1) 試験方法

試験は、C重油0.03g又は0.2gを各試薬に溶解し、それぞれ100mlとしたものをサンプルとして、クロロホルムと塩化メチレンにより、350nm〜650nmの範囲で吸光度を測定した。また、参考として、四塩化炭素についても、同様の試験を行った。

 

表2-2-6 各サンプルの油分濃度

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2) 試験結果

試験の結果を、図2-2-13〜図2-2-15に示す。各供試体とも油分濃度が増加するごとに吸光度が増加しているが、調査した領域では吸光度が極大となる波長は認められない。吸光度の測定では、0.5〜1.0の範囲で値が得られるよう測定波長を選定するのが望ましく、MDPC法の予め混合での油分濃度に近いサンプル2の調査結果に注目すると、クロロホルムと塩化メチレンのどちらを使用しても、可視光領域の波長での測定が可能であることがわかる。

 

 

 

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