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やはり「品質は作り込まれる」のを原則としたい。品質は全て作成者の自己責任に属するとするのである。作成のプロセスに確認作業を織り込んでゆく。

 

初心者が作成した、ミスすれば代換材料がない、どうも今ひとつ自信がない、など特別の時だけ検査を掛ければよい。

実は事後の検査より、事前の注意指示が効果的である。

 

それでもミスは起こるが、そのときは事情・内容を記録に残し、再発防止の「歯止め策」を検討して打ち出す。その蓄積が品質向上につながる。

 

数値現図では定形繰り返しの手順は、システム内に自動化されており、手作業で起こりやすいウッカリや思い違いミスはない。もし新規のミスが起これば「歯止め策」をシステムに内蔵させることができて、使いこむほどシステムの機能は向上する。

メインテナンスが重要なゆえんである。

 

6.4 日程計画

型定規の作成にかかる作業量は、全現図作業の7〜8割をしめ、しかも設計の出図日程と加工の開始日程との間に押し込む必要があり、日程管理上の目玉となる。

 

とにかく「お互い助け合って、やるっしかない」の心意気はいいが、それではムリ・ムラ・ムダの容認となる。

生産性の安定・向上のためには、どうしても具体的な管理手法が必要である。

作業の単位はブロック別が一般的で、その管理単位別に作業量を見積もり、その日程期間に山積みし、消化計画を立てる。

一人作業が望ましいが、期間に限られる時は二人で分担する。それでも山崩しができなければ、出図の前倒しを要請する。仮図受領でもやむをえない。

 

ブロック別作業量は船殻基本図[中央断面、鋼材配置、外板拡張]にブロック分割をいれ、部品数を推定し、経験値に照らして予測する。

[所要概算時数]=[部品数]×[生産性推移表から読んだ時数/部品]

外注であれば、時数=価格…と置き換える。

ここで部品数とは、型定規作成対象の部材品種数で、両舷対称や共通部材は1と数え、時数(価格)/部品は単位部品当たりの係数を意味する。

生産性推移表とは、この係数値の予算と実績を暦日ベースで記録したもので、類似ブロック別に作成し追跡される。

 

 

 

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