幅マーキン・切断は、仕上がり寸法を確保するよう、[2-1 切断]の冒頭で注意したが、ここではFc.PLやFBなど帯鋼部材の幅の削ぎ方:テーパーにつき、触れておこう。
[図5.2.12 Fc.PLの巾テーパー]に、その要領を示す。傾斜量は、サーピンと同じく、1対4の比が目安である。定規や一品図の表示は、標準記号/テーパー度/始終点位置の、いずれでもよい。留意点として:-
1)図に見るように、テーパー絞り幅は、取り合いで寸法を割り込まないように、相手の狭幅より、+1ほど広げておくのを推奨する。
2)丁度テーパー部分に、小骨:T.BKT,FBのクリップ端が当る場合があるが、見落とさないようにしたい。数値現図システムでも、そこまで自動化プログラムが及んでいないものが多いようである。
5.3 条材:Section
ここでは、防撓材:Stiffenerや肋骨:Frameに用いる一定断面の部材(山形鋼:Angle、球山形鋼:Bulb plate、ビルトアップ:Built up section、Fc.PL以外の帯鋼:Flat bar)を一括する。
造船には、その他、溝型鋼:Channel section、丸鋼:Round bar、半丸鋼:Half round bar、鋼管:Pipe…なども用いられるが、特殊な用途であり、本書では、この章の応用ということで、説明を省略する。
山形鋼類では、背/腹マーキンで、ウェブ・フランジ板厚分の違いがある。
[図2.1.31 傾斜貫通フレームの断面]で示したように、形状の「当り」位置寸法は、背角・ウェブ/フラヂ端縁で与えられる。したがって、腹マーキンでは[図2.1.21 倣い開先の処理]に見たような“板厚処理”が必要となる。
既成断面素材から取材するとき、インバート取合い端縁に「倣度」を切取ると、ウェブ寸法が浅くなる。このことは、限界設計がなされている訳ではなくても、明確に船主や承認機関に事前に断っておかねばならない。