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1.2.3 NC型作画

従来の型に相当するものが、自動作画される。

これまでは現図用としてはフラットベッドのドラフターが使われ、作画寸法に制約されてきたが、このところ間欠送りが実用になり、設計用のドラムタイプ・プロッター同様に長さ方向の制限がなくなった。作画幅2Mであれば2BL毎の現尺線図が作画でき、現図床上に並べれば、従来と同じ形:手作業作画の作業運用もできる。小規模造船所の数値現図化には、高価で場所を取る切断機より、この作画機だけの導入を薦めたい。

作画型では、型自体:作画ハードコピーの交換とすれば、NCがらみの相互運用性の問題もない。

 

1.2.4 その他の造船用NC

現図関連では、フレームベンダー、曲り外板の定点支持具、曲型切削…があるが、まだ特殊で一般性はない。説明は、以降の該当項目のところで述べよう。

これらの専用NC装置化は、造船所単位では量的に採算性が乏しいのが難点である。

 

1.3 現状の問題点

よく観察すると現図の本質が顧みられず、分業により慣習化した垢と贅肉が溜まっているのがわかる。

このことは伝統的な従来からの手作業で目立つが、コンピュータ・システムになっても、そのまま引継がれているものがある。

 

1.3.1 造船所基準尺の維持と各工程の物差しの較正

まず計測の標準を明確にしたい。例えば:-

「基準尺は現図にて保管。それにより造船所内の寸法物差し類は毎年較正し、結果の記録を残す。管理責任は使用工程にある」。

「巻尺は、気温20度Cで5kgの張力を与えて、計測する」

などがある。

「原寸」の根拠と、その伝達を確保するためである。

 

1.3.2 手作業作画とコンピュータ処理の混用

採用された数値現図が、NC機械の手段に止まっている問題である。

数値現図は、切断工の省力化にしか役だっていない。

 

現図が、現図場の床とコンピュータの中と、2か所に分散してあると、「原寸」が同じでなくなる。バッテンで描くカーブと機械計算のカーブは原理的には一致しないからだ。

 

 

 

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