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7. 舶用ディーゼル発電機関における排出NOx変動因子

ダイハツディーゼル(株)

研究部  近藤 博美

 

1. 目的

1997年9月の国際海事機関(IMO)本部で開催の会合において、船舶からの大気汚染防止に関するMARPOL条約新附属書VI及びこれに関連するNOxテクニカルコードの規制案が採択された。しかし、NOxテクニカルコードにおけるNOx補正式の補正要素の寄与率について、十分に吟味されているとは言い難い。このような背景を踏まえ、平成8年度調査研究を実施し、認証時の試験燃料油の選定の問題やNOx補正要素の定量的不一致などの課題を明らかにしてきた。

平成9年度調査研究では、上記の課題に対処するものとして、気筒径200mmの単気筒機関を用い、機関負荷率が変化する条件の下で、絶対湿度、供給空気温度などが与える影響について、調査、分析した。また、NOx補正式の定量的確認を実施するために、コージェネ機関の1年間を通した排出NOxデータの採集と分析を継続して行った。この調査研究をもとに、NOx変動因子の影響を考慮し、排出NOx制限値に適合する舶用ディーゼル機関の開発による環境保護の実現を目標とする。

 

2. 実施内容

実施内容について下記に示す。図1は調査研究の経過を示している。

(1) コージェネ機関のNOx値年間追跡調査(平成8年度調査研究補足調査)

(2) 気筒径200mmの単気筒機関を用い、供給空気の温度と絶対湿度、および機関負荷率などの機関要素を変化させた燃焼試験の実施

などの内容について、コージェネ機関のNOx値の追跡調査および単気筒試験機関を用いて、給気加湿などによる燃焼試験を実施し、また、上記NOx時系列データ群について重回帰分析を行った。

 

 

 

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