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地震調査研究の緊急性

 

(1)日本の地理的な宿命

日本は地震、津波、火山噴火の被害を繰り返し受ける地理的位置に存在する。巨大地震の多くはプレート沈み込み帯で発生しているが、いくつかの地震空白地域、すなわち、近い将来、地震の発生が予想される地域が指摘されている。

地震の準備過程はプレート間の力学的結合度の空間的な不均質性に大きく依存する。現在、海底下深部構造フロンティアでは「かいれい」の反射法探査システムや海底地震計などを用いてこの不均質構造を表現できるモデリングを進めている。

 

(2)地殻構造モデルの改良

いわば手探りの手法で構築する地殻構造モデルの重要ポイントにおいて、震源まで掘削し、そこに至る力学的物性データを得るとともに、震源での物理現象を実際に確認することができれば、地殻構造モデルを実際に検証でき、大幅な改良が可能となる。これによって、地震発生の地域別の切迫度をより適切に判断できるようになり、防災対策の重点化が可能となる。

 

(3)震源に接近した長期観測

さらに、掘削孔を利用して震源に接近した長期観測が可能となれば、海底地震計では検知できない前兆現象を提える可能性がある。

このように、本計画は地震発生時の被害軽減に大きく貢献するものであるため、一刻も早く計画を進める必要がある。

 

その他の緊急性

 

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図66 メタンハイドレートの社会的意義

 

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出典:地質調査所/地質ニュース第510号

図67 ハイドレート層を掘削するには→ライザー掘削が必要

 

 

 

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