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はじめに

 

海洋科学技術センターは昭和46年の設立以来、我が国の海洋科学技術に関する研究開発の中枢機関として、有人潜水調査船「しんかい6500」、10,000m級無人探査機「かいこう」、大型海洋調査研究船「みらい」等を開発し、沿岸域の海洋スペースの有効利用、地球的規模の海洋環境の変動、深海底の探査等に関する調査研究を推進してきました。

また、センターの研究開発能力のポテンシャルを高めるために国内外の研究機関等との交流、情報交換・収集を行い、さらに、研究成果を広く普及するために情報公開活動や研修事業を行ってきました。他機関との交流、情報交換・収集活動の一環としては、毎年、海外で開催される海洋開発関連の主要な会議に参加し、また、海洋関連機関及び企業を訪問して、海洋科学技術に関する最新の情報を入手し広く関係者へ提供することに努めてきました。

特に、センターでは、国際的な「21世紀の海洋掘削計画(OD21)」に資するライザー掘削システム装備の深海掘削船システムの研究開発を推進してきたところであり、その基本技術となる海洋石油掘削技術に関する最新情報の収集に努めています。

今回の調査では、米国ヒューストンで開催されたOTC'98(Offshore Technology Conference, 1998)に参加し、海洋石油開発及び掘削技術の開発動向を調査するとともに、サン・ディエゴのスクリプス海洋研究所を訪問し、ODP(Ocean Drilling Program)の科学掘削で得られたコア(試料)の保管庫等の施設及び同研究所の活動について調査しました。昨今の海洋石油開発業界は、さらなる大水深海域における掘削を目指した大きな変革の時期にあるため、新技術、新製品が続々と産み出されており、タイムリーな情報を収集できたものと自負しております。この報告書が、関係各位の業務に多少なりとも参考となれば幸いです。

最後に、資金援助を賜った日本財団、調査の実施と報告書の作成にご協力いただいた関連各社及び調査参加者並びにその他関係者の方々に対して、この場を借りてお礼申し上げます。

 

平成11年2月

海洋科学技術センター

海洋技術研究部

大谷 雅実

 

 

 

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