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(1)一般事情
 米国(アメリカ合衆国)は、国土面積が9,629,091?2(日本の25.5倍)であり、人口は2億6,877万人(97年12月推定)で、首都をワシントン(人口:94年4月現在56万7,000人)におく。
 言語は、主として英語が使用され、宗教は主としてキリスト教である。
 クリントン大統領は、93年1月に就任以来、国内経済の再建を中心とした諸問題に取組み、財政赤字の削減等で成果を挙げている。
 同大統領は、97年1月の2期目就任演説で、「21世紀への架け橋の構築」を目指すと述べ、また、98年1月の一般教書演説では、「21世紀に向けた米国の強化」を唱え、(1)機会を提供する経済、(2)責任感に根ざした社会、(3)地域社会に根さず国家、(4)新しい一千年計画に取組む旨述べている。
 米国の外交は、次の6項目を主な外交戦略としている。
 (1)平和・民主的な統合欧州、(2)アジア太平洋地域の安定と統合、(3)ボスニア・中東他との和平支援、(4)テロ、麻薬、環境問題等への対応、(5)軍事・外交予算確保、(6)開放経済への努力。
 米国の経済は、堅調な個人消費、設備投資などに支えられて高成長を続けており、97年末時点で81ヵ月連続の上昇となっている。
 98年の大統領経済報告書でも、少なくとも99年まではこの成長が継続すると予測し、米国の歴史上、平和時としては最も長期の景気拡大を記録することになると述べている。
 なお、財政赤字も99年度(98年10月〜)には黒字転換の見通しがたっている。
 今後も低失業率と低インフレに加え、財政赤字の増大などの景気上昇を妨げる兆候もなく、伸び率は鈍化するとしても、2000年から2004年にかけて、2.0%〜2.4%の実質成長率を維持するものとみられる。
 世銀の推定によれば、1995年の米国の国民総生産(GNP)7兆1,000億700万ドル、1人当りでは26,980ドルである。1985〜95年の期間の1人当りGNPは、年率1.4%の割合で増加している。
 また、この期間の人口は年率0.9%の割合で増加している。
 米国の国内総生産(GDP)は、1980〜90年の期間に年率2.6%の割合で増加しているが、91年は1.0%の減少となっている。
 実質GDP成長率は1992年には2.7%、93年には2.2%、94年には3.5%、95年には2.0%、96年には2.4%(推定)を記録している。
 GDPの産業別構成(96年)は、EIUレポートによれば、農林漁業1.7%、鉱業1.5%、建設業4.0%、製造業17.4%、その他となっている。
 農業部門(林業、漁業を含む)は、1993年のGDPの1.7%を寄与している。
 また、96年には労働人口の2.8%が従事している。
 主要輸出用作物は穀物、ポテト・柑橘類、綿花、タバコなどである。
 主な家畜類は牛、豚、食用飼鳥などである。
 農業部門は、94年の輸出総額の6.1%を占めている。
 農業部門の生産高は、1985〜88年の期間に年率3.9%の割合で減少しているが、89年は8.1%、90年は3.1%の増加を記録している。
 その後、91年0.4%減少、92年8.9%増加、93年8.5%減少となっている。
 農業部門生産は、94年は15.9%の増加となっているが、95年には6.0%の減少、96年には再び5.9%の増加となっている。
 工業部門(鉱業、製造業、建設業、公共事業を含む)は、1993年GDPの25.4%を寄与し、96年労働人口の24.1%がこの部門に従事している。
 工業生産高(建設業を除く)は、1980〜90年の期間、年率2.7%の割合で増加したが、91年には1.9%の減少となっている。
 しかし、92年は1.5%、93年は2.1%、94年は6.1%、95年は3.6%、96年は2.7%と増加が継一続している。
 鉱業部門は、1993年のGDPの1.4%を寄与し、96年労働人口の0.4%がこの部門に従事している。
 米国の主要鉱産物は、石油、天然ガス、石炭、銅、鉄、銀、ウラニウムである。
 鉱業部門は、1994年輸出総額の1.6%を占めている。
 鉱業部門の生産高は、1980〜91年の期間、年率0.8%の割合で減少している。
 製造業部門は、93年GDPの17.5%を寄与し、96年の労働人口の16.2%がこの部門に従事している。
 91年における主な部門は、輸送機械(全価格の13.5%)、食品(12.0%)、化学製品(10.6%)機械、電気製品、精製油、印刷発行、金属製品などである。
 これら製造業部門は、94年総輸出額の92.3%を占めている。
 この部門の生産高は、1980〜90年の期間、年率3.3%の割合で増加したが、91年には約2.0%の減少を記録している。
 エネルギーは、主として国内および輸入炭化水素によって賄われている。
 95年の石油輸入は、輸入総額の7.1%に達している。
 なお、原子力発電量は全供給電力量の22.5%を受けもっている。

 

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