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V  廃油処理施設の利用

 海はそこで働くみなさんの生活の場であり、また一般の人々にとって雄大な自然と接することのできる数少ない重要な場所です。そこを美しい状態に保ち子孫に伝えていくことは、私たちに課せられた重要な責務です。
 船舶は、その運航にあたって内部に必ず不要な油を生じてしまいますが、これら不要な油をできるだけ減らして海に流さないため、それぞれの船舶においては、油水分離装置等のビルジ等排出防止設備を、またタンカー等にあってはスロップタンク等の水バラスト等排出防止設備や分離バラストタンク等を設けて、海への油の排出を抑制しています。
 しかしながら、これらの装置で除去しきれない油や装備されていない船舶から生じた不要な油については、これを回収・処理するための廃油処理施設が必要であり、その整備は海洋汚染防止のための施策として非常に重要なものの一つです。

1 船内に発生する廃油の種類

(1) 廃重質油:ビルジ、水バラスト、タンク洗浄水、コレクトオイル、スロップオイル、スラッジ、その他

(2) 廃軽質油:水バラスト、タンク洗浄水、スロップオイル、スラッジ、その他

 (1) ビルジ:船舶の機関室区域などから漏出した燃料油、潤滑油等が船底に流入し、海水等と混って油性混合物となったものをいう。

 (2) 水バラスト:船舶の航行の安全をはかるため、貨物艙、二重底等に積載した水に油が混入した油性汚水をいう。

 (3) タンク洗浄水:貨物油艙又は燃料油槽、潤滑油槽を洗浄する際に発生する油性汚水をいう。

 (4) コレクトオイル:ビルジを油水分離器により船内で処理したあとの油性混合物をいう。

 (5) スロップオイル:タンカーのタンク洗浄水及び水バラストを静置又は重力分離等の方法によって船内で処理したあと、船内に貯留される油性汚水をいう。

 (6) スラッジ:貨物油艙・燃料油槽及び潤滑油槽の底に沈殿する固形物並びに燃料油、潤滑油の清掃の際に発生する油性固形物をいう。

2 廃油処理施設のある港

 廃油処理施設は、223頁に「全国廃油処理施設一覧」として示してありますので、進んで利用しましよう。

3 廃油処理施設利用上の注意事項

(1) 廃油は、通常、船の貨物油ポンプやビルジポンプで処理施設に送り込むので、船のポンプはいつでも作動できるようにしておくこと。

(2) ごみや洗剤等が廃油に混入しないように注意すること。

(3) ビルジ残油など少量の廃油は、石油カンなどの容器に入れて、施設に持ち込むこと。

(4) 施設によって、利用できる時間帯は異なっています。事前に連絡を取って確認を行ってください。また、時間外に利用したい場合は、施設と十分連絡を取り、事故等が起こることのないようご注意ください。

(5) 処理施設には、利用上の安全規程がありますから、これを遵守すること。

(6) 処理施設の廃油処理規程の定めに従って、利用料金を支払うこと。

(7) 廃油処理場への引渡し上の注意

 (1) 常温のまま引渡す。

 (2) 加熱の必要がある廃油は加熱装置のある処理施設に引渡す。

 (3) 洗浄水は、すべて廃油処理施設へ引渡す。

(8) 廃油処理施設によっては、収集船やバキュームカー等で廃油の収集や運搬を行うところもありますので、利用したい場合は施設の方へご連絡ください。

 

 

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