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(13) 技術基準適合命令等(法17の14)
 (1) 法第48条第5項の規定により、船舶検査官又は海上保安官が船舶に立入検査を行った場合、海洋汚染防止設備等及び油濁防止緊急措置手引書が技術基準に適合していないと認めるときは、運輸大臣は、検査対象船舶のみならず設備規制対象船舶の船舶所有者に対して技術基準適合命令を行うことができる。
 船舶所有者が、当該技術基準適合命令に従わない場合は、運輸大臣は、更に航行停止命令及び航行差止めを行うことができる。

 (2) 技術基準の適合性は原則として定期検査制度及び技術基準適合命令により担保し、正しく検査を受けない場合、技術基準適合命令等に従わない場合等について罰則を設けている。


(14) 船舶安全法の準用(法17の15) ―検査の合理化制度―
 法に基づく検査の合理的な実施のために、船舶安全法の規定のうち次に掲げる制度に関するものが準用されている。

 (1) 予備検査(船舶安全法第6条第3項)
 海洋汚染防止設備について、当該設備を船舶に設置する前に検査を受けることができる。予備検査に合格した物件については船舶における検査の際に、検査が省略される。(参考「海洋汚染防止設備等及び油濁防止緊急措置手引書検査規則」)

 (2) 事業場認定(船舶安全法第6条ノ2、第6条ノ3)

(イ) 製造工事又は改造修理工事に係る認定
運輸大臣が、海洋汚染防止設備の製造又は改造修理工事の能力について認定をした事業場において製造又は改造修理された物件については、船舶における検査又は予備検査の際に製造工事又は改造修理工事に係る検査が省略される。

(ロ) 整備に係る認定
 海洋汚染防止設備の製造者が運輸大臣の認可を受けた整備規程に従って行う整備の能力について、運輸大臣が認定した事業場において整備された物件については、整備後30日以内に行われる定期検査又は中間検査が省略される。(参考「海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の規定に基づく事業場の認定に関する規則」)

(ハ) 型式承認(船舶安全法第6条ノ4)
運輸大臣が型式承認をした海洋汚染防止設備について検査を受け、これに合格した物件については船舶における検査又は予備検査の際に検査が省略される。なお、型式承認を受けた者が、(2)(イ)の製造工事に係る事業場の認定を受けた場合は検定を受けることを要しない。
(参考「海洋汚染防止設備型式承認規則」)

(15) 外国船舶に関する特例(法17の16)
外国船舶は、1973年の船舶による汚染の防止のための国際条約に関する
1978年の議定書(以下「議定書」という。)締約国船舶と議定書非締約国船舶とに分類されるが、これら双方について法第17の2から法第17条の14までの規定、すなわち、定期検査制度及びその関連規定を適用しないとするものである。(ただし、わが国の各港の間又は港内のみを航行する外国船舶については適用する。)
 これは、外国船舶に我が国の定期的検査制度を課するのは現実的でなく、また、議定書締約国の船舶は旗国の定期検査を受けていることもあるため、外国船舶については定期的検査制度の適用を除外することとしたものである。
 なお、我が国の各港の問又は港内のみを航行する外国船舶については、日本船舶と同等とみなしうるので、日本船舶と同様に定期検査制度及びその関連規定を適用することとしたものである。


(16) 外国船舶の監督(法17の17)
 MARPOL73条約第5条に規定されている入港国による監督(いわゆるポート・ステート・コントロール)の規定を受けて設けられた条項である。
 船舶に対する監督には、国際的規制に基づき船舶の旗国により法令が定められ、その遵守の確保が図られるフラッグ・ステート・コントロール(旗国による監督)があるが、船舶は、その活動の場が旗国以外の国の領域にも及ぶため、旗国による監督だけでは、国際的規制の遵守を確保することは不十分であるため、船舶の入港国において、当該入港国当局により行われる監督に服させることにより、国際的規制の実効性を図ろうとするものである。

外国船舶の監督のフロー・チャート

(17) 議定書締約国の政府が発行する条約証書、議定書締約国の船舶に対する証書の交付(法17の18、法17の19)
 船舶に係る検査及び証書の交付は、原則として、船舶の旗国の責任において行われるものであるが、議定書においては、旗国以外の議定書締約国において建造された船舶又は証書の有効期間が旗国以外の議定書締約国に入港中に満了する船舶等について、円滑な航行を確保するため、当該船舶の旗国の要請により、旗国以外の締約国において検査を受け証書の交付を受けることができる旨の規定が設けられている。(附属書1第6規則、附属書II第11規則及び附属書IV第5規則)
 この議定書の規定を受けて、法第17条の18は、わが国を旗国とする船舶について議定書締約国政府に対して条約証書の交付を要請する手続き及び交付された条約証書の効力を規定したものであり、また、法第17条の19は、逆に、議定書締約国政府がわが国政府に、当該議定書締約国の船舶に対して、条約証書の交付を要請してきた場合における検査の実施及び証書の交付の根拠を規定したものである。

(18)省令への委任(法17の20)
 定期検査、中間検査、臨時検査等を受検する場合の検査の準備、申請手続、その他、海洋汚染防止証書等の証書に関する事項などは、海洋汚染防止設備等及び油濁防止緊急措置手引書検査規則に定められる。

 

 

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