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(3) 中間検査(法17の4)
 検査対象船舶の船舶所有者は、海洋汚染防止証書の有効期間中において運輸省令で定める時期に(2)(1)に掲げる区分ごとに中間検査を受けなければならない。中間検査を受けるべき時期は、次のとおりとなる。

(検査規則14)


(注) 旅客船、危険物ばら積船、特殊船及びボイラを有する船舶以外の船舶

 この表の区分を異にする変更が船舶に生じた場合は、地方運輸局長の指定する時期に中間検査を行わなければならない。
 なお、中間検査の内容については、検査規則第9条を参照すること。

(4) 臨時検査(法17の5)
 検査対象船舶の船舶所有者は、検査対象船舶に設置された海洋汚染防止設備等について運輸省令で定める改造又は修理を行うとき、当該検査対象船舶に備え置き、又は掲示された油濁防止緊急措置手引書について運輸省令で定めた変更を行うとき、その他運輸省令で定めるときには、臨時検査を受けなければならない。そのようなものは例えば次のような場合である。

(1) ビルジ等排出防止設備、水バラスト等排出防止設備、貨物艙原油洗浄設備又は有害液体物質排出防止設備の性能に影響を及ぼすおそれのある改造又は修理

(2) 分離バラストタンク又は貨物艙の寸法等の変更

(3)油濁防止緊急措置手引書について油の排出による汚染の防除のため当該船舶内にある者が直ちにとるべき措置に関する事項の変更

(4) 船舶の用途、航行する海域等の変更

(5) 海難その他により海洋汚染防止設備等の性能又は油濁防止緊急措置手引書の機能に影響を及ぼす変更があったとき

(6)油濁防止緊急措置手引書の全部又は一部の取り替え又は取り外しをしたとき


(5) 証書の有効の停止(法17の6)
 法第17条の2の定期検査を受け、海洋汚染防止証書の交付を受けている船舶でも、法第17条の4又は法第17条の5の中間検査又は臨時検査の結果、運輸大臣は、海洋汚染防止設備等又は油濁防止緊急措置手引書が技術基準に適合しないと認めるときは、海洋汚染防止証書の効力を停止することができる。そのような場合、当該船舶は航行することを禁止される。


(6) 臨時海洋汚染防止証書(法17の7)
 検査対象船舶は、通常は海洋汚染防止証書の交付を受けていなければ、当該船舶を航行の用に供することができない。
 ただし、新造船の社内海上試運転をする場合や外国船を建造し、これの引渡しのために外国に回航する場合には、臨時航行検査を受け臨時海洋汚染防止証書の交付を受けて運航することができる。
 このような制度は、船舶安全法において船舶検査証書と臨時航行許可証の2種類の証書があることと同様の考え方で取り入れられているものである。


(7)海洋汚染防止検査手帳(法17の8)
 海洋汚染防止検査手帳は、船舶安全法上の船舶検査手帳に相当するもので、最初の定期検査に合格した船舶に対して海洋汚染防止証書とともに地方運輸局から交付される。なお、船級船については、申請に基づき初めて海洋汚染防止証書が交付される際に手帳も合わせて交付されることとなる。
 手帳は、本法に基づく検査に関する事項を記録するもので、航行する際は常に船舶に備え置かなければならず、また、検査を受け、又は証書の書換え等を受ける場合には、常に手帳を地方運輸局又は船級協会に提出して、所要の記録を記載してもらうこととなる。
 また、手帳には船舶所有者が記載する欄も設けられており、記載要領に従い記録する必要がある。

 

 

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