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社会福祉への貢献

 

多年にわたり社会福祉の向上に顕著な貢献をされた方々(42件)

 

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立野 新平(たつの しんぺい)(大10.6.28生・北海道札幌市)

永年の教員生活と社会福祉協議会での経験を生かし、痴呆性老人とその家族の抱える諸問題の解決に取り組んで、高齢化社会における地域の福祉向上に貢献された。

1] 昭和62年6月に、“ぼけ老人を抱える家族などの交流を通して老人ぼけの理解を深め、ぼけ老人とその家族への援助と福祉の向上を図る”ことを目的とした「北海道ぼけ老人を支える家族の会」の発足に尽力し、創立後会長に就任した。

発足当時は、痴呆性老人を含む介護を必要とする高齢者のためのサービスが、まだ不十分だったことから、痴呆に特有の特殊な症状や異常な行動のために介護する家族の心身的負担は非常に大きく、苦労を強いられてきた。そのような中で、ぼけを介護する家族だけの問題ではなく、老化するすべての人の問題としてとらえ、情報の提供や行政への働きかけを通して、ぼけに対する偏見や差別をなくし、ぼけても安心して暮らせる地域社会づくりを目指して積極的な活動をしている。

2] 道内2支部約300名の会員で発足した会も、各地域で講演会、研修会など積極的な活動を重ね、平成9年の10周年には道内40支部4300名もの会員を有する組織に拡大し、同10年3月現在44支部、会員4500名と毎年連帯の輪を広げている。

3] 家族の会は、日常の介護に悩む家族との交流や相談活動、家族介護者のリフレッシュ事業等、ぼけ老人を抱える家族に対する援助活動はもとより、道内各地域において研修会を開催し、啓蒙活動を行っている。研修会では氏自らも講演を行い地区指導者の養成や会の組織化を推進し、痴呆症についての理解や介護方法を地域に広めるなど、痴呆性老人と家族の福祉の向上に寄与している。

(北海道推薦)

 

 

 

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