筑前城下の作(広瀬淡窓)
伏敵(ふくてき)門頭(もんとう)浪天(なみてん)を拍(う)つ
当時(とうじ)の築石(ちくせき)自(おのずか)ら依然(いぜん)たり
元兵(げんぺい)海(うみ)に没(ぼつ)す蹤(あと)猶(な)お在(あ)り
神后(じんこう)韓(かん)を征(せい)する事(こと)久(ひさ)しく伝(つと)う
城郭(じょうかく)影(かげ)は浮(うか)ぶ春浦(しゅんぽ)の月(つき)
絃歌(げんか)声(こえ)は隠(かく)る暮洲(ぼしゅう)の煙(けむり)
昇平(しょうへい)象(しょう)有(あ)り君(きみ)看取(かんしゅ)せよ
処々(しょしょ)の垂楊(すいよう)に賈船(こせん)を繋(つな)ぐ