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3.4.5 船舶からの排出量と陸上からの排出量との比較

表3.4-55に船舶からの各種大気汚染物質の排出量の総括を示した。ここでは、排出量に関して陸上発生源との比較を行う。陸上発生源の排出量については、IPCCへ提出される日本国政府の公式の数値がある。表3.4-57に同資料の数値を示した。しかし、同数値には、水運業および漁業の数値が含まれているため、これら排出量の分離が必要となる。表中、1.エネルギー部門は、燃料の燃焼による排出量を算定している。エネルギー部門のうち、表中記号1A3で示される欄には内航による排出量が、表中記号1A4で示される欄には漁業およびレジャーの排出量が、一部含まれている。表ではこれらを分離して表最下段に示した。分離に際しては、IPCCの計算方法によると仮定し、SOx以外の物質についてはIPCC規定の排出係数(表3.4-56)を用いた。SOxの硫黄含有率については、環境庁への聞き取りにより軽油0.1%、重油類はすべて0.5%とした。また、SOx、NOxについては、1A4分類からの船舶関連の排出量は0とした。

また、IPCC以外のNOx、SOx、CO2排出量に関する資料を表3.4-58に示した。環境庁の発表するNOx、SOxの排出量は、総量規制の枠組み上、ばい煙発生施設および規制対象となっている移動発生源である自動車からの排出のみを想定しているため、やや低い数値となっている可能性が考えられた。一方、CO2については燃料消費量に一定の数値を乗じるため資料による数値の違いは非常に少なくなっている。

 

表3.4-55 各種大気汚染物質排出量

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国内は1996年、世界全体は1995年ベース

国内周辺は200海里以内での排出量を示す。

 

表3.4-56 IPCCにおける船舶からの排出係数

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