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(2)排出量の比較

表3.1-11に横浜港における排出量を、表3.1-12に東京湾における排出量の数値を、最近の調査について示した。また各調査における負荷率などの設定と、排出係数の設定とを表3.1-12に附記した。東京湾における陸上からの排出量はSOxで60,800t(1989年)、NOxで186,100t(1991年)である。東京湾においては、両物質とも陸上からの排出量に対して10%以上の寄与のあることが推定される。

SOx排出量は東京湾を対象とした各調査ではほぼ一定の幅の中で推移しているが、停泊中と航行中の割合は各調査ごとで大きな違いがある。これは、表3.1-12に示すように航行中と停泊中における負荷設定の違いにより生じる燃料消費量の差異および硫黄含有率の推定の相違によるものである。

一方、NOx排出量は調査によって2倍以上の差が見られ、種々のパラメータの設定のにより、排出量が大きく影響されていることが推定される。特に、従来の調査では、荷役形態に応じた負荷設定を行わず船型または船種ごとに一律の設定を行っていることが大きく影響している。

表3.1-11中4番で示した最新の横浜市による調査では非常に細かい積み上げを行っているが、排出係数にNOxマニュアルの数値を用いているため、NOx、SOx排出量ともにやや過小評価である。仮にNOxをIMOベース(70g/kg-fuel)で計算すると、おおよそ1.6倍の数値となり4,500t程度と推定される。

 

表3.1-11 横浜港の停泊時の排出量の比較

031-1.gif

 

東京湾をメッシュに分けて計算しているため、湾ごとの排出量は集計されていない

 

 

 

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