日本財団 図書館


(2)SOx、CO2

NOxの排出機構について述べてきたが、調査対象となっている他の汚染物質(CO2、SOx、CO、HC)についても基本的には同じ考え方が用いられる。ただし、CO2とSO2は燃料中の炭素分および硫黄分がほぼ100%排出される*と考えられるため、機関の大きさや負荷などには関係なく、燃料消費量に一律の排出係数を乗じることで排出量が算定できる。例えば、燃料中の硫黄分については、日本に寄港する船舶の場合、内航で1%程度、外航で3%が平均的な硫黄分とされている。本調査では資料収集および次節で述べる実船計測の測定結果をまとめ、これらの排出係数を検証することを考えた。

*COは未燃分であるが、排ガス全体の中に占める割合(COモル濃度/CO2モル濃度)は0.1%にも満たないのが、通常である。

(3)HC、PM、CH4、CO、N2OおよびNMVOC

上記大気汚染物質については、他の汚染物質と比較して、測定データなどの基礎データが少なく、使用状況による区分で排出係数を仮定することは困難と考えられる。

本調査においては自動車機関などの文献値を使用して、データを補完することを考えた。特に、PMについては、測定法などによりその定義が様々である。最近の研究調査では、人間の健康に被害を与える2.5μ以下の粒子を分別測定したり、凝縮性ダストと呼ばれるダスト測定方法もあるが、船舶排ガスに関しての情報が極端に少ないことから、本調査においては従来のJISZ8808に定められたばいじん測定法によるPMと定義する。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION