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3.4 プロトタイプシステムによる協業支援の検討

3.4.1 プロトタイプシステムの概要

3.2で述べたように、プロセスモデルを具体的に検討するアプローチとして、種々のケースシナリオを作成し、それを利用してプロセスモデルを検証し、モデリングにフィードバックしていくこととしている。その最初のケースシナリオとして、複数のプレーヤが共同して行う簡単な積み木ブロック積み重ねゲームのシナリオを作成し、先に述べたプロセスモデルとエージェントによる協業支援メカニズムを織り込んだプロトタイプシステムを開発した。

(1) ゲームシナリオ

図3.4-1のような8×8で構成されるブロック積み領域に、赤・青・緑・黄の4色のブロックを選択し、各色に対応するクレーンでブロックを積んでゆく。

 

073-1.gif

図3.4-1 8×8ブロック

 

制約条件として下記がある。

・対象とするブロックの下側のブロックが無ければ、上には載せられない。

・各色のブロックには、それぞれコスト(赤$l、青$2、緑$3、黄$4)と、作業に要する時間(赤4分、青3分、緑2分、黄1分)が決められており、コストをできるだけ安く、必要時間を短くするように作業を行う。$160以下、160分以内で積むことが要求されている。

・左右隣り合うブロックには同色のブロックは指定できない

ブロックは図3.4-2の左側に示すように、一人で行う作業区画が区切られており、各作業区画は個々の作業者に割り当てられる。各作業者は、自分の担当作業内のコストを安く、必要時間を短く、かつ、早く着手・終了すべく努力するが、この時、先の制約条件が存在するので、隣接区画の作業者の状況を問い合わせ、協調して進める必要がある。

 

 

 

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