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2.3.8 WP-7 Legal and environmental evaluation of the selected routes

 

【目的】

(1) WP1において選定された航路の法制面での評価を実施する。北航路と南航路における法律上の評価を詳細に行う。

(2) NSRについて提案された航海シナリオを考慮に入れて環境影響評価を行う。シナリオによると、アジアから欧州に向かう20隻の40,000DWTコンテナ船が対象となる。主な有害要因は、船舶から出る廃棄物、つまり、油性廃棄物、汚水、残飯、硫黄・窒素酸化物などである。

 

【成果概要】

(1) 選定した航路の法制上の評価を行った結果、ロシアは、既にNSRを航海する国際商業輸送に対して好都合な法体制を確立していることが判った。

(2) NSRにアクセスする船舶に対する法体制には、国際商業輸送の重要性が考慮されている。法的な面からすれば、他の航路に対するのと同様にWP1で選定した2航路に対する共通の法体制は効力を有している。

(3) 海外船舶の航海順序は法的な側面からのみ決められている。両航路はMOHの責任範囲内にある。NSRの西部地区MOHは一年中機能しており、東部地区MOHは氷海航行を直接規制するために夏季のみ開設される。

(4) 法律上・体制上の評価に関しては、航海上・水文気象上の支援、無線交信、緊急時における救援支援について解析した。

(5) NSR航海では、特別な必要がない限り鳥や動物のコロニーに近づく事は避けるべきである。

(6) 現在の動物や鳥の数やそのダイナミックな変化に関するデータをより有効に利用するためには、エキスパートを呼び集め、NSRに沿った生態系のモニタリングを行わなければならない。

(7) INSROPで検討されたNSR航海が自然環境へ与えるダメージに対する補償の定量的評価と資金の投入を考慮しながら、ロシアの法律文書や国際条約の体系化に注力することが必要である。

 

 

 

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