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3.2.3 物性評価

 

調製した種々の吸着剤を、XRD(X-ray Diffraction: X線回折)、SEM(Scanning Electron Microscopy: 走査型電子顕微鏡)、TEM分析(Transmission Electron Microscopy:透過型電子顕微鏡)、EDX 分析(Energy Dispersively X-ray Analysis:波長分散型X線分析)、BET表面積測定によりキャラクタリゼーションを行った。結果をそれぞれ順に示した。

 

(1)種々の吸着剤の状態観察

a.ゼオライト

図3.2-1に本実験で用いたZSM-5のXRDパターンを、図3.2-2にSEM写真像を示した。非常に結晶性がよい1μm〜数μm程度の凝集粒子であることがわかる。

 

b.Ba-Cu-O

図3.2-3に反応前後のXRDパターンを示した。反応前後でパターンに変化がみられる。(Ba-CuO2.5 → Ba-CuO2)

 

c.Mn-Zr-O

図3.2-4〜7に各焼成温度で調製したMn-Zr-Oの反応前後のXRDパターンの比較を示した。低温で焼成したものはほぼ非晶質であった。反応前にはMnO2のピークが存在するが、反応後にはMnO2が減少し、Mn2O3が増大しているが、550℃以上で焼成したものはほとんど変化が見られない。また一部ZrO2のピークが生成している。結果をまとめると以下の通りである。

 

1]350あるいは 450℃で焼成したサンプルはXRDの結果からほとんどが非晶質であったが、一部MnO2のピークが存在した。

 

2]450℃で焼成したサンプルはXRDの結果から反応後にはMnO2が減少しており、Mn2O3が増大した。

 

3]550℃で焼成したサンプルには一部ZrO2のピークがみられた。

 

4]650℃で焼成したサンプルにはZrO2, Mn2O3の明瞭なピークが存在し、反応前後で変化が見られなかった。

 

 

 

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