日本財団 図書館


C方式においても9日11〜12時の間に避難ラインを突破(レベル6)し、その後は実効雨量が増大しています(図4.3)

9日20時過ぎにD方式の実効雨量が基準ラインを突破し、上昇を続け、D方式の6時間雨量が21時頃に基準ラインを突破した時点で危険度レベルは7に達しています(図4.4〜図4.6)。その後降雨が止み、23時頃に6時間雨量が基準ラインを下回り、危険度はレベル6に下がりましたが、依然として危険な状況は継続しています。

レベル7に達してから約4時間後に、土石流災害が発生しました。

 

3. まとめ

西郷村の例からは、本システムが極めて効果的に土砂災害の発生危険を予測していることが検証されました。また、設定されているそれぞれの危険度レベルととるべき体制・活動内容の対応関係も概ね妥当と判断されます。

出水市の例は、「土石流発生の12〜13時間前にレベル6に達している(西郷村では4〜5時間前)」、「一旦レベル7に到達した後にレベル6に下がり、その後土砂災害が発生している」など、西郷村の例とは趣が異なります。雨量観測ポイントと土石流発生箇所との距離関係などについても検討する必要がありますが、このような変則的な状況を示しつつも結果として土石流災害の発生を予測していることは、本システムの有効性を示したものといえます。

なお、本報告書では2例のみについて検証していますが、この他、平成5年8月6日の鹿児島豪雨災害事例にも適用し、本システムが有効であることが確認されています。

今後は、さらに検証事例を増やすことにより、本システムの有効性の一層の向上を図りたいと考えています。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION