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1.3 本システムの適用結果

表4.1、表4.2の雨量データを本システムに入力し、8月27日4時59分現在の状況を表示させたのが、前出の図3.5〜図3.10です。

危険予測指標雨量の推移グラフをみると、26日の20時頃にA方式の基準ライン(100mm)に到達(レベル3)します(図3.5)

また、B方式の警戒領域(水平・垂直の基準ラインで4分割された領域の右下の領域)に到達(レベル5)するのは、26日23時〜27日0時頃です。さらに、27日1時〜2時の間に危険領域(右上の領域)に到達(レベル6)しています(図3.6)

C方式においても、二つの垂直の基準ラインのうち、右側のライン(避難ライン)に27日0時〜1時の間に到達(レベル6)しています。これにより土砂災害の発生がいよいよ目前に迫っていることがうかがえます(図3.7)

27日2時〜2時半頃に、D方式の3種類(実効雨量、30分間雨量、6時間雨量)の基準ラインを相次いで突破し、危険度は最大のレベル7に到達します(図3.8図3.10)。この約2時間後に、今回の土砂災害は発生しています。

 

2. 鹿児島県出水市針原地区土石流災害(平成9年7月10日)

 

2.1 土砂災害の概要

平成9年7月10日1時頃、出水市境町針原地区において山腹崩壊土砂が針原川に崩れ落ち、土石流となって流下した。土石流は、ほぼ完成していた砂防ダムを乗り越えて人家に達し、死者21名、負傷者13名、家屋倒壊19棟の大災害となった。

 

2.2 降雨状況

アメダスが観測した出水市の降雨状況は、表4.3のとおりです。

 

2.3 本システムの適用結果

表4.3の雨量データを本システムに入力し、7月10日1時59分現在の状況を表示させたのが、図4.1〜図4.6です。

危険予測指標雨量の推移グラフをみると、9日10時前にA方式の基準ライン(100mm)に到達(レベル3)します(図4.1)。

また、B方式の危険領域には早くも9日11〜12時の間に到達(レベル6)していますが、その後は警戒領域との間を行き来する形をとりながら、累加雨量が増大しています(図4.2)

 

 

 

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