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2. 水の供給量と水不足

 

(1) 水の供給量

地球上の水の総量は約14億立方キロ(km3)にのぼるが、その96.5%は海洋の塩分を含んだ末であり、淡水はわずかに2.53%(約3500万km3)にすぎない。さらに地球上の淡水の69.6%は氷河などの形で閉じ込められており、地下水ならびに河川・湖沼に存在するのは、各々、30.1%(1050万km3)ならびに0.34%(11.9万km3)にとどまる。(7)

水の循環システムによって毎年降水の形で陸地に供給される水は約11万3000km3である。このうち63.7%の7.2万km3は蒸発と植物からの蒸散によって大気圏に戻り、残りの36.3%(4.1万km3)のみが河川・湖沼に注ぐか地下水となる。人間が利用しうる年間に更新される水資源(年間更新可能淡水有効水量)は世界全体では41,000km3ということになる。

これを地域別にみると、表2の(1)、(3)欄の通りである。主として途上諸国からなるアフリカ、アジア、ラテンアメリカの淡水有効水量は世界全体の各々10%、27%、29%を占める。この分布を世界人口の地域別分布(表2の(4)欄)と比べてみると、水の供給量と水の潜在需要(人口)の間に大きなギャップがみられる。アジアは人口に比して水の供給量が著しく少なく、ロシアを除くヨーロッパ、アフリカもややその傾向がある。それに対して、オセアニア、南米、北米、ロシアは人口に比して水の供給量が著しく大きい。

 

(2) Falkenmarkの「水不足」の尺度

Falkenmarkは、1人当たり1,700m3(=トン)以上の年間更新可能淡水有効水量のある国を「水不足のない」状態とし、1,700トン未満、1,000トン以上の国を「水ストレス」状態、1,000トン未満の国を「水不足」状態にあると定義した。(8)

 

 

 

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