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■ 欧州:1997年の欧州への国際観光客到着数は対前年比3.4%増の3億6,100万人で、世界全体の59%を占めた。国際観光収入は同0.3%減の2,190億ドルで、世界全体の約50%であった。

 

■ 中・東欧は対前年比3%減の7,840万人で、1996年の対前年伸び率7.9%から大きく後退した。これはブルガリアとハンガリーヘの旅行者が減少したこととポーランドヘの旅行者が伸びなかったことによる。ロシアと他の旧ソ連邦諸国は到着数、観光収入とも増加した。

■ 西欧は、国際観光客到着数は対前年比4.4%増の1億2,400万人、国際観光収入は同4.5%減の776億ドルを記録した。観光収入が減ったのはオーストリアとフランスヘの旅行者の旅行支出が減少したことが響いている。フランスは到着数は、対前年比7%増で、1992年以来の最高を記録した。スイスの到着数は96年の対前年マイナス成長から増加(同4.5%)に転じたが、オーストリアは96年に引き続きマイナス成長となった。

 

■ 南欧は、国際観光客到着数は順調に伸び対前年比7%増の1億500万人を記録した。国際観光収入は、前年に比べわずかながら減少(0.2%)し、696億ドルであった。これは、欧州通貨に対してドルが上昇したため、ドルベースでの収入が減少したことによる。スペイン(7%増)、イタリア(3.8%増)、ギリンャ(11%増)など南欧の成熟した旅行目的地の多くは到着数の増加を見た。フランスとイタリアの観光収入減はフランとリラに対して米ドルが大幅に上昇したことによる。自国通貨ベースでは両国とも11%増加している。欧州東南部諸国はアルバエアを除いて順調に伸びた。

 

■ 東部地中海沿岸諸国の1997年の国際観光客到着数は、トルコ(対前年比13.5%増)、キプロス(同5.6%増)などが大きく伸びた。イスラエルは同4.6%減と不調であった。

 

■(英国、スカンジナビアを含む)欧州北部は、国際観光客到着数は対前年比2.6%増の4,040万人を記録した。これは、英国が同2.6%増を記録したことが大きく影響している。スカンジナビア諸国は1%弱のわずかな増加であった。アイルランドは同4.9%増で、この地域で最高の伸び率を記録した。

 

欧州(修正後暫定値)

EUROPE-REVISED ESTIMATES

 

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出典:世界観光機関 (WTO)Source:World Tourism Organization(WTO)

 

 

 

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