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1] カラタイ神学校(カラタイ博物館)

1251年セルジューク朝のジェラルッディン・カラタイ宰相によって造られた神学校。特徴的な正面の門は、セルジューク様式の美しいレリーフで飾られていて、芸術性が高い。13世紀には8つの神学校がこの地にあり、一つの学校で8人程の学生が勉学に励んでいた。正方形の床に丸いドーム屋根を持つこの建物にはターキッシュ・トライアングルと呼ばれるセルジュークの建築様式が用いられている。ドームの天丼真下には雨水をためる泉があり、天国を表しているという。壁を飾るタイルに描かれているのはセルジュークの文様である半獣神である。現在ここは陶器博物館として、町の城塞遺跡などからの出土品を展示している。

2] インジェ・ミナーレ神学校

ここは1265年から1267年に建造された神学校。モスクと神学校が合わさった複合建築となっている。現在はイスラーム関係の彫刻の博物館となっている。正面を埋めるアラビア文字の模様、幾何学模様のレリーフが美しい。正面ゲートの脇に建つミナーレ(尖塔)の壁面装飾も美しく、これらはセルジューク朝の建築物の代表作でトルコで最も優れた芸術作品の一つである。

3] メゾラーナ博物館

旋舞教団(踊る教団)として知られるイスラム神秘主義の一派、メゾラーナ教団の創始者メゾラーナの霊廟で、6,500m2の敷地内には霊廟の他に、モスク、僧院、修行場もある。

緑色のタイルで覆われた円錐形の屋根を持つ霊廟は、13世紀に造られたものだが、外の部分は後のオスマン朝の時代にシュレイマン大帝らの寄進によって建立された。1927年以降、霊廟が博物館として生まれ変わり一般公開されるようになった。入り口内部は沢山の棺が置かれ、奥にメゾラーナの構と、メゾラーナが語った言葉を能書家が書いた碑文とプレートが掲げられている。隣の展示室には中央のガラスケースに「マホメットのひげ」を入れた箱が展示されている。

4] コンヤから地中海沿岸地域へ(車窓からの沿道風景)

高原地帯のコンヤから地中海の沿岸にあるアンタルヤまで約280kmを移動するバスの車窓からの景色も観光魅力の一つとして注目したい。コンヤを出ると沿道沿いには、小麦、杏、ジャガイモ、ひまわり、トウモロコシ等の畑が広がる。多様な地形を持つトルコならではで、その種類も豊富である。ポプラの並木、オリーブの畑も切れ間無く続き、タウルス山脈遥か前方に見て進む。農家が点在し、牛、羊、山羊が群をなして革を噛んでいる。

タウルス山脈越えの山岳区間では、高度1,824m付近が最も高く、糸杉に似た小振りな木が整然と植林されている。山肌は、何層にも薄く重なった岩が露出しており、風化してもろくなった部分が崩れてあちこちに小規模の落石が見られた。この付近はアクセキと言われコンヤから約180km、およそ2時間半であった。

山岳地域を抜け平坦地に入ってからマナウガット=アンタルヤ間の沿道では果物売りの露天が並び、スイカ、メロン、桃、葡萄等が色美しく売られていた。

 

 

 

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