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はしがき

 

シルクロード(草原の道、砂漠の道、海の道)は、ユーラシア大陸の内陸部とその周辺地域において、異なる民族・文化との交流(さまざまな文物の交易の場として重要な役割を果たしてきました。シルクロード地域は、東西文化交流の歴史を通して形成・保存されてきた自然環境や歴史的文化遺産を数多く抱えていますが、これまで社会体制の違い、政治的な緊張などさまざまな要因から必ずしも十分に開発がなされた地域とはいえません。

シルクロード地域の歴史的文化遺産はこの地域の諸国が共有する貴重な資源であります。広大な自然と歴史的に貴重な遺跡や文物、さらには異なる民族の風俗や習慣などは、本来、人類共通の貴重な資産であり、旧ソ連邦の崩壊に代表される政治、社会体制の急速な変化の中で、その保全と活用を図るために、観光資源としての観点からその経済的な地域への貢献の方法を探り、自然環境と合わせて保全を図っていくことは緊急の課題と申せましょう。

一方わが国は、奈良をシルクロードの終着点と位置付け、文化伝来の道としてシルクロードに思い入れが深く且つ、旅行好きの国民性を有することから当財団ではシルクロード観光交流促進委員会を組織し、当調査事業を実施することを通じ、関係諸国との観光交流促進に多少なりとも貢献できればと考えております。

この場を借りまして、当事業の遂行につきご支援いただきました日本財団に対し、厚くお礼申し上げます。

 

平成11年3月

 

財団法人アジア太平洋観光交流センター

理事長 山 下 哲 郎

 

 

 

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