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第2の理由は、日本の行政の流れが変わってシビル・ミニマムの行政が主流になり、そこでは地方公共団体職員の自主的で創造的な政策形成がとりわけ重視されるようになってきていることである。地方公共団体職員は、自らの能力を開発して独自の政策を形成しない限り、地域発展の推進役となり得ないといわざると得ない。

以上のことを考慮してみると、自己啓発は人材育成の基本であることから、職員の自己啓発の活性化は地方公共団体の共通の課題であり、各地方公共団体が主体的に人材育成のあり方を検討する中で、自己啓発の活性化について積極的に検討していく必要があると考えられる。

以下、自己啓発の活性化について地方公共団体が共通して取り組むべきと考えられる推進方策について、アンケート結果等を踏まえて整理することとする。

 

1 自己啓発についての首長・管理監督者の理解

 

職員の自己啓発を促進していくためには、首長や職場の管理監督者の理解が何よりも重要である。換言すれば、自己啓発を活性化しやすい職場の学習的風土づくりを図り、人を育てる職場環境を醸成していくことは、首長・管理監督者の重要な職務であると考えられる。

意欲をもって自己啓発に取り組もうとする職員を首長・管理監督者が激励し、評価する職場環境、庁内体制が、自己啓発を活性化しやすい職場を醸成することとなる。首長・管理監督者が参加する自己啓発の成果の発表の場を積極的につくっていくこと、優れた自己啓発の成果について首長・管理監督者が表彰し、具体的な施策に生かしていくことなどの視点が、自己啓発とより活性化させるのである。

また、職員が自己について認識する契機とするため、「自己啓発度診断表」等を作成・配布すること、職員間の出会いや交流を推進し、相互啓発を図ること、他の地方公共団体、他の地域、民間企業等に職員を派遣し、視野を広げることなどによる自己啓発のきっかけづくりに首長・管理監督者が積極的に取り組むことが職員の自己啓発の活性化にとって極めて重要である。

 

 

 

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