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第4章 自己啓発の活性化に向けての推進方策

 

アンケート結果から見ると、研修の3つの柱のうち、現状では自己啓発がいちばんウエイトが低くなっている。しかし、自己啓発について今後充実を図っていきたいとする地方公共団体は、現状が低調ということもあって、70%を超えている。

こうしたアンケート結果から、自己啓発が人材育成の基本であると認識をしてはいる一方で、自己啓発に関するノウハウが不足しているなど自己啓発を促進する体制が整備されていないという現状をみてとることができる。また、地方公共団体の認識と体制が乖離し、その結果、職員に自己啓発の意義・必要性を強く認識させることになっていない現状もみてとることができる。

このような状況が発生する要因は、地方公共団体によって様々であると考えられる。しかし、今後、地方分権の推進等により地方公共団体の役割が増大する中にあって、地方公共団体職員は、大きく分けて2つの理由から、これまで以上に自己啓発を行っていく必要がある。

第1の理由は、社会の変化が極めて激しい今日においては、地方公共団体職員も民間企業の従業員と同様に、絶えず研鑽と努力を続けない限り、たちまち時代遅れになってしまうおそれが大きいということである。いかに優れた人材を獲得しても、職員個人個人が社会の激しい変化に対応し得る新しい知識や技術を絶えず取り入れる努力を行わないと、せっかくの人材もあっという間に陳腐化してしまうことになる。

地方公共団体職員の多くは、定年まで長期にわたって勤続する。その間に社会は絶えず激しく変化するとともに、職員自身も配置転換や昇任等により職務環境が変わり、常に研鑽と努力を継続しなければ、地方公共団体職員自身が職務の適応性を失うことになる。このことは、公務能率の増進の上でも大きな支障が生じることになるのである。

 

 

 

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