日本財団 図書館

共通ヘッダを読みとばす


Top > 社会科学 > 社会 > 成果物情報

分権型社会に対応した地方税制のあり方に関する調査研究報告書

 事業名 地方自治情報啓発研究
 団体名 自治総合センター 注目度注目度5


2]行政的関与

前記のような立法的関与と行政的関与とは、はっきりと区別しなければならない。たとえば、地方税に関する税率の採用について主務大臣の許可制を採用したり、税の減免基準について主務大臣の承認を要するなどの制度を採用する場合には、自治体の意思決定に対して「国の行政権」の判断を優先させることになる。一連の地方分権の動きのなかで、国の行政的関与は縮減の方向で制度改正が進められようとしている。地方税の分野についていえば、法定外税の許可制度が改められるのが、その一環の制度改正である。

ただし、地方団体の連合体による意思決定が可能になれば、行政的関与を行う場合に、その連合体に対する諮問手続を経て関与する方式が考えられ(行政的関与を補完する諮問手続)、何らの諮問手続を経ない関与に比べて弊害の発生を除去することが可能となる。しかしながら、前述のように、地方団体の数が三千を超える現在の状況においては、連合体の適正な意思形成を必ずしも期待することができないので、行政的関与を補完するために諮問手続を経る方式の採用は現実的でないと思われる(5)

(3)立法的関与の程度

国による立法的関与が許容され、あるいは必要とされるとしても、どの程度の関与が望ましいかという問題が残される。地方税に関して、主要な意思決定権等としては、次のようものが考えられる。

a.税目決定権、b.課税標準決定権、c.税率決定権、d.確定権(賦課権)、e.徴収権、f.紛争裁断権

これらのうち、dとeについては、後述することにして、それ以外の事項について、簡単に検討しておきたい。

1]税目決定権・課税標準決定権

まず、課税権の調整の観点からは、税目の振り分けの決定権は原則として国に留保せざるをえないように思われる。ただし、前述したように、日本の地方税法が法定外の税(現在は普通税のみであるが、地方分権推進の動きのなかで目的税も可能にすることが予定されている)を創設する権能を地方団体に認めていることは、きわめて重要である。地域の実情に応じた「租税発見権(Steuerfindungsrecht)」を付与するものである。

しかも、地方分権の推進の一環として、自治大臣の許可制から、協議に基づく同意(合意)制に変わろうとしている。その運用次第では、著しく「租税発見権」を阻害するおそれもあるが、すでに、地方財政の危機の中で、新しい法定外税の採用も模索され始めており(6)、法定外税の許容は、それなりの評価を受けるべきものである。

さて、税目は、単に税源ないし課税客体のみで特定されるとは限らないので、法律によって選択された税目(法定税目)については、課税標準決定権も原則として立法に留保せざるをえないであろう。その際に、国民健康保険税や、かつての住民税のようにメニュー方式によることもありうるが、日本において根強い「均等化志向」は、その効用を容易に発揮させない状況にある。たとえば、目下議論されている事業税の外形標準課税も、現行の地方税法がすでに補充的メニューとして用意している課税標準であるにもかかわらず(72条の19)、種々の障害により、採用されたことがないのである。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






サイトに関するご意見・ご質問・お問合せ   サイトマップ   個人情報保護

日本財団会長笹川陽平ブログはこちら
競艇の収益金はあなたの街でこのように使われています



ランキング
注目度とは?
成果物アクセスランキング
744位
(24,463成果物中)

成果物アクセス数
6,020

集計期間:成果物公開〜現在
更新日: 2008年10月11日

関連する他の成果物

1.ふるさと環境シンポジウム報告書「豊かな環境づくり大阪府民の集い」
2.ふるさとみやざき環境シンポジウム報告書「森からの贈り物」
3.地方分権推進フォーラム’98 in“とっとり”
4.地方分権推進フォーラム 徳島in’98
5.自治だより No.125
6.自治だより No.126
7.自治だより No.127
8.自治だより No.128
9.自治だより No.129
10.自治だより No.130
11.地方自治アニメーションビデオシリーズNo.6「がんばれ地方行革」
12.The Local Administrative System in Japan
13.中央政府の査定・評価報告書
14.歴史的遺産・伝統文化(伝説・神話等)の活用による地域おこし懇談会報告書
15.大都市行政制度に関する調査研究報告書
16.「地方自治情報啓発研究」の報告書
17.ホールにおける市民参加型事業に関する調査研究
  [ 同じカテゴリの成果物 ]


アンケートにご協力
御願いします

この成果物は
お役に立ちましたか?


とても役に立った
まあまあ
普通
いまいち
全く役に立たなかった


この成果物をどのような
目的でご覧になりましたか?


レポート等の作成の
参考資料として
研究の一助として
関係者として参照した
興味があったので
間違って辿り着いただけ


ご意見・ご感想

ここで入力されたご質問・資料請求には、ご回答できません。






その他・お問い合わせ
ご質問は こちら から